研究課題/領域番号 |
16012234
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
豊國 伸哉 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90252460)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2004年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 酸化ストレス / DNA修飾塩基 / 免疫沈降法 / 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine / ゲノム / 生活習慣病 |
研究概要 |
酸化ストレスは動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病の発症に関与していると考えられる。これまで私たちはラジカル発がんモデルにおいて、変異の標的となる遺伝子が存在することを報告した。酸化ストレス病態のゲノムへの影響を調べるため、ゲノムDNAで酸化傷害が生じた部位を網羅的に検出する方法を開発した。修飾塩基を含む8-hydroxy-2'-deoxyguanosine (8-OHdG)に対するモノクローナル抗体で免疫沈降することにより、その修飾塩基を含むDNA断片をクローニングする技術を確立した。無処置あるいは鉄ニトリロ三酢酸を投与したマウス腎から抽出したゲノムDNAを材料として、各動物について100個以上の8-OHdGを含有する断片をクローニング、塩基配列を決定し、その断片の染色体上における位置情報・意義をインタネット上のデータベースで検索し、解析した。1)N45.1は8-OHdGを含有する断片を特異的に免疫沈降した。2)このシステムでDNA負荷量と8-OHdG含有量に関して量依存性を認めた。3)「ランダム」という現象を「各染色体の塩基長に比例した断片の分布」と仮定すると、カイ2乗統計量による適合度検定でp=0.07程度の危険率でランダムではない。特に16番はどちらの群でも頻度が高い。5)遺伝子領域からの距離という観点で8-OHdG含有断片を解析すると、遺伝子領域の比率がやや高い。遺伝子領域ならびに遺伝子から数百kb離れた領域の断片の割合が鉄ニトリロ三酢酸投与で増加した。6)遺伝子領域断片のうち、その発現の認められる割合も鉄ニトリロ三酢酸投与で増加した。ゲノムDNAにおける8-OHdGの生成部位はランダムではない。少なくとも、どの染色体上にあるか、遺伝子領域かどうか、遺伝子領域なら発現しているかどうかなどの多因子が関係していることが示唆される。
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