研究課題/領域番号 |
16012238
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉本 幸彦 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (80243038)
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研究分担者 |
田中 智之 京都大学, 薬学研究科, 助手 (40303846)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2004年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | シングルセル / レーザーダイセクション / 化学発癌 / 発熱 / 代謝疾患 / 分娩遅延 / 不妊障害 / プロスタグランジン |
研究概要 |
本研究の目的は、シングルセル発現プロフィール解析法を遺伝子改変疾患モデルマウスに適用し、発症・伸展の鍵因子を同定することである。各変異マウスの病態異常の発現機序を明らかにするため、様々な細胞を標的としてシングルセル発現プロフィール解析を行い、生理・病態の調節因子をゲノムレベルで理解することを目指す。 (1)方法論・・目的とする細胞の径に応じてキャピラリ(<10um)もしくはレーザーダイセクション法(>10um)(LCM)を使い分け、LCM法のノウハウを最大限に導入することで、簡便で迅速な発現プロフィール解析法を確立した。 (2)癌・・化学発癌による肝癌のマーカーである胎盤型グルタチオンS-転移酵素(GSTP)発現を指標に、肝癌の初期病巣(foci)の発現解析を行い、様々な代謝酵素や転写因子の発現が亢進していることを見出した。 (3)発熱・・体温中枢のEP3受容体発現ニューロンはGABA受容体を発現し、PGE_2はその発現を減じることを示した。PGE_2による発熱に、EP3受容体を介したGABA機能調節が関与することが示唆された。 (4)代謝疾患・・PGE_2前は、EP4受容体ならびにcAMPを介して脂肪細胞分化を抑制し、分化に伴う遺伝子発現変化を総じて抑制した。一方、GPR120が遊離脂肪酸受容体であり腸管のGLP1分泌を担うことを示した。またPACAPトランスジェニックマウスを用いることで、PACAPはII型糖尿病など高グルコース条件下では、Reg遺伝子発現を介して膵島過形成を抑制するものと考えられた。 (5)生殖生理・・分娩遅延を示すFP受容体KOマウスでは、黄体細胞のステロイド合成や抗酸化遺伝子の発現が亢進していることを見いだした。(2)不妊障害をもつEP2受容体KOマウスの卵丘細胞は、WTに比してサイトカインなど炎症関連遺伝子の発現が亢進することを見いだし、EP2KOの受精障害は、卵丘細胞の炎症関連遺伝子の発現亢進に起因する可能性を示した。
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