研究課題
特定領域研究
2000年、Disrupted-in-schizophrenia-1(DISC1)遺伝子の転座を起因とする統合性失調症を主体とする1家系が報告された。我々はこの家系に統合失調症が発現する原因として次のような仮説を想定した。この家系ではDISC1の転座が生じている、従ってこの家系の神経細胞では通常DISC1の転座部位に結合すべき蛋白が結合できない、それ故結合蛋白とDISC1蛋白との結合によって発現する神経細胞の機能が障害され、統合失調症が発現していると想定した。そこでDISC1と結合する3種のタンパク質の解析を行い転座付近に結合する三種のタンパク質を同定した。Fasciculation and Elongation protein Zeta-1(FEZ1)、DBZ(DISC1-bindingZinc finger protein)と名付けた新規因子とkendrinである。本年度はDBZの機能について検討した。Fez1とDISC1の結合はNGFにより強化されたがDBZとDISC1の結合増強にはNGFは関与しない。それではどのような因子がDBZとDISC1の結合増強に関与するかを検討した結果PACAP賀この両者の結合を強化する事を明らかとした。またPACAPがDBZとDISC1との結合を増強する機序についても明らかとした,即ちPACAPはパC1受容体と結合しその結果ERKの発現を増強し両者の結合を強める。またDBZの機能解析ではDBZは神経突起の伸展抑制作用を有する事が明らかとなった。
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