研究概要 |
(1)21q22の候補遺伝子の探索と多型解析:21q22の候補遺伝子として新たにウロモデュリン様1遺伝子(UMODL1)とZnフィンガータンパク295(ZNF295)遺伝子のcDNAを単離し、遺伝子構造を決定した。また、発現解析、タンパク質の機能解析を行った。特にZNF295に関しては、転写抑制活性を有すること、転写のリプレッサーやアクチベーターとして働くことが知られているZFP161と直接結合することなど興味深い知見を得た。また、機能的、位置的に有力な候補遺伝子であるカルシウムチャネルTRPM2 (transient receptor potential melastatin 2)の転写調節領域を解析した。5'RACE法により発見した転写開始領域の周辺から発見した多型と双極性障害との関連を検討したが、有意な相関は見出せなかった。 (2)22q12のADRBK2/GRK3遺伝子の多型解析:北欧の双極性障害家系において疾患との関連が報告された22q12のADRBK2/GRK3 (adrenergic, beta, receptor kinase 2/G protein receptor kinase 3)遺伝子のプロモーター領域の多型と本邦における双極性障害の発症との関連を検討した。北欧の家系において見出された多型は、本邦においては、患者群、正常対照群のいずれにおいても見出せなかった。また、その他のプロモーター領域の多型についても、本邦における双極性障害の発症への関連は、見出せなかった。さらにコーディング領域の多型解析を行った。
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