研究課題
特定領域研究
非修飾オリゴヌクレオチドプローブを用いれば、従来のcDNAマイクロアレイよりも低いコストで性能の良いマイクロアレイを作製することができる。好熱性藍色細菌Thermosynechococcus elongatus BP-1の全遺伝子について最適な配列を持つ45塩基のオリゴヌクレオチドプローブを検索したところ、90%の遺伝子においてそのようなプローブが見つかった。これらのプローブを用いて、2397遺伝子(全遺伝子の95%)を含むマイクロアレイを作製した。T.elongatusのゲノム上に含まれない配列を持つネガティブコントロールプローブでは、非常に低いシグナルしか検出されなかったことから、特異的なハイブリダイゼーションが起こっていることが確認できた。このオリゴヌクレオチドマイクロアレイで得られた測定値の信頼性を評価するために、概日リズム同調2時間後(LL2,主観的昼の初期)および14時間後(LL14,主観的夜の初期)の細胞からRNAを抽出し、マイクロアレイ実験を行った。2枚の独立したマイクロアレイ実験から得られた測定値は非常に似通っており(相関係数0.8以上)、再現性が高いことが示された。20遺伝子についてはノザンブロットによる確認を行い、アレイ実験から得られた結果は正しいことが確認できた(相関係数=0.832)。さらに、LL2とLL14との間で発現量に有意差がある143の遺伝子を同定した。これらは概日発現リズムを示す候補遺伝子であると考えられる。そのうち69遺伝子はLL14で高い発現量が見られ、逆に74遺伝子はLL2に高い発現量を示した。これらの遺伝子の生理機能は多様であり、代謝や転写翻訳、輸送、DNA複製、細胞の増殖などに関連していた。藍色細菌における概日遺伝子発現ネットワークの解明のために、時計遺伝子KaiCの誘導直後に発現変動を示す遺伝子を作製したオリゴヌクレオチドマイクロアレイを用いて同定した。KaiC誘導30分後、1時間後でそれぞれ73遺伝子、33遺伝子が統計的に有意な発現変動を示した。そのなかにはmRNAの転写に重要な役割を担う2つのシグマ因子が含まれており、これらが概日遺伝子発現ネットワークの上流に位置することが示唆された。
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