研究課題/領域番号 |
16015214
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
若松 義雄 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60311560)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2004年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 幹細胞 / 細胞分裂 / 神経発生 / 非対称 / 細胞骨格 |
研究概要 |
脊椎動物の中枢神経系の発生において、Numbは神経幹細胞の分裂時に不等分配されることによって娘細胞の分化運命を制御していると考えられている。これまでに(1)中間径繊維蛋白質であるTransitinがNumbと同様に分裂期神経幹細胞の基底膜側に局在すること(2)TransitinがNumbに直接結合すること、(3)Transitinが基底膜側から側方に移動して不等分配されること等を示した。本年度NumbとTransitinの結合をこれまでFar Western法でなく、免疫沈降法でも確認した。また、エレクトロポレーションによって2本鎖RNAを神経管に導入し、Transitinをノックダウンしたところ、Numbの基底膜側への局在がみられなくなった。このことから、TransitinがNumbの非対称な局在に必須であることが示された。さらに、ヘアピンループ型のRNAを発現するベクターを同様の方法で神経管に導入してTransitinをノックダウンし、ニューロンの分化への影響を調べたところ、分化の促進が観察された。また、アクチン骨格に注目して解析を行い、培養脳スライスを各種薬剤で処理してTransitin-EGFPの動態をタイムラプス観察した。Transitinは細胞表層のアクチン骨格の内側に沿うように分布していたが、サイトカラシンDで処理すると表層アクチン骨格が断片化し、Transitinが細胞表層から外れることがわかった。すなわち、Transitinはアクチン骨格を介して細胞膜に結合していると考えられた。また、Blebbistatinで処理してMyosin2の機能を阻害するとTransitinが側方に移動できなくなった。細胞表層にはMyosin2や活性化型MLCが分布していたことからも、TransitinはMyosinによって表層アクチン上を運ばれていると結論された。
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