研究課題/領域番号 |
16015221
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
石川 良樹 群馬大学, 医学系研究科, 講師 (20212863)
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研究分担者 |
小浜 一弘 群馬大学, 医学系研究科, 教授 (30101116)
熊谷 啓之 群馬大学, 医学系研究科, 助手 (20321945)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2004年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | アクチン / ドレブリン / ミオシンV |
研究概要 |
ドレブリンは我々がラット胎児脳から精製したアクチン結合蛋白質で、突起伸長期に大量に発現することから、この時期のアクチン構造調節に深く関わっていると予想される。すでに精製蛋白質の解析によりトロポミオシン、ファシン、ミオシンIIの活性を抑制する事を報告しているが、得られる蛋白量に限界があり、解析が滞っていた。ドレブリンの大腸菌発現系による発現が可能になったので、これが生成成長円錐に局在するカルシウム感受性アクチン系細胞骨格蛋白質とどのような相互作用をするか、解析を行なった。発現ドレブリンはアクチン4分子にドレブリン1分子の割合で、アクチン線維にストイキオメトリカルに結合した。Ca2+/カルモジュリン依存的アクチン結合蛋白質であるカルデスモンのアクチン結合を70%阻害した。この阻害効果はトロポミオシンで促進された。pEGFP-ドレブリンでドレブリンとカルデスモンの局在を調べた所、カルデスモンはフィロポディア全体にわたって局在したが、ドレブリンはフィロポディア基部に局在していた。カルデスモンは、N-WASPとArp2/3によるアクチン重合の促進を阻害する事から、これらの因子を介してドレブリンが成長円錐辺縁部におけるアクチン重合を調節する可能性が示唆される。また、ドレブリンはミオシンVのアクチン活性化ATPase活性を60%阻害したが、アクチン滑り速度には影響を及ぼさなかった。このことは、ドレブリンを結合したアクチンレール上では少ないエネルギーで長い距離滑り運動が出来る事を示唆している。以上の結果、及び同じくカルシウムでアクチン結合が調節されるアクチン束化蛋白質ファシンの活性がドレブリンで阻害されるという以前の報告を総合すると、ドレブリンは、成長円錐のアクチン系細胞骨格蛋白質のカルシウム感受性を消失させる働きがあると考えられる。
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