研究概要 |
SCA17患者リンパ球を出発材料としてRT-PCRを行いTet-off gene expression systemであるpBI-EGFP vectorにヒト変異TBP cDNAの組み込みを行った。CAGがさらに伸長した変異TBPをPCRにて作成した(pBI-EGFP-TBP_Q37,56,98,168,199)。このpBI-EGFP-TBP_Q199 vectorのinsert部分を切り出し、microinjention法によりトランスジェニックマウスを作成した。産仔の尾DNAよりTBP配列およびEGFP配列を増幅するプライマーをそれぞれ用いてPCRにてtaransgeneを確認し、Q199トランスジェニックマウスを5株樹立した。Q199トランスジェニックマウス5株のF1すべてにおいて胚細胞導入が確認され、現在F3まで継代繁殖中である。F1〜F3において発達面、行動面、生存期間のいずれにおいても野生型との間に有意な差はなかった。Q199トランスジェニックマウスと交配するTet-Offマウス:B6.Tg-TgN(Eno2tTA)5021NesはJackson研究所より購入し、継代繁殖を行った。これらQ199トランスジェニックマウスとB6.Tg-TgN(Eno2tTA)5021Nesとを交配し、本研究の目的であるダブルトランスジェニックマウスが独立した5系統に得られた。現時点(最高齢1年4ヶ月)では明らかな表現型は確認されていないが、一部のラインにて被毛粗剛、体重減少、失調様歩行が観察された。
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