研究課題/領域番号 |
16015255
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
斉藤 哲一郎 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (00202078)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2004年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 神経細胞 / 発生・分化 / 神経回路網 / 脊髄 / 哺乳動物 / トランスジェニックマウス / 転写因子 / ホメオボックス遺伝子 |
研究概要 |
哺乳動物の多様な神経細胞の各々に特徴的な性質(neuronal identity)が、神経発生から神経回路網の構築に至る過程でいかに決定されるのかを分子レベルで明らかにすることを目指している。本年度は脊髄交連神経細胞の運命決定を制御する、Bar型ホメオボックス遺伝子MBH1の発現制御機構と転写因子間のカスケードの解析を中心に研究を行った。MBH1は脊髄の交連神経細胞が分化する時に発現し、脊髄で異所的に発現させると発現細胞を交連神経細胞に分化転換させることができる。昨年度までのトランスジェニックマウスやノッククアウトマウス等の解析により、MBH1遺伝子の発現制御配列を同定するとともに、MBH1はヘリックス・ループ・ヘリックス型転写因子Math1の下流で発現することを明らかにしてきた。さらに、本年度のクロマチン免疫沈降実験により、マウス胎仔脊髄内でMath1タンパク質はMBH1の発現制御領域に特異的に結合していることを示し、Math1タンパク質が直接的にMBH1遺伝子を制御することを明らかした。また、in vivo electroporation法でMath1を脊髄で強制発現させた場合にも、Math1タンパク質がMBH1の発現制御領域に結合し、MBH1の発現を誘導することにより、交連神経細胞を生み出すことを示した。これらの一連の実験により、MBH1は、長年謎とされてきたヘリックス・ループ・ヘリックス型プロニューラル転写因子の標的遺伝子として、神経細胞の運命決定を制御することが明らかとなった。一方、大脳皮質幹細胞に遺伝子を異なる発生段階で二回導入する実験系を確立し、大脳皮質幹細胞の性質は個体発生とともに不可逆的に変化することを明らかにした。
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