研究課題/領域番号 |
16015259
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三上 章允 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (40027503)
|
研究期間 (年度) |
2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
|
キーワード | 前頭眼野 / 大脳皮質 / サル / 局所回路 / 抑制性介在細胞 / サッカード |
研究概要 |
前頭眼野(FEF)から細胞外記録した細胞の発火パターンを検討し、以下の4つの細胞タイプを区別した。(1)FS細胞(Fast Spiking cell):1つのバースト内のスパイク数が多く、バースト中のスパイク間隔、スパイクサイズがほぼ一定に保たれる。(2)FRB細胞(Fast Rhythmic Bursting cell):バースト中のスパイク間隔、スパイクサイズがほぼ一定で、バースト内のスパイク数は3-6発程度と比較的少なく、バースト発火が一定の時間間隔で繰り返される傾向にある。(3)IB細胞(Intrinsic Bursting cell):バースト内のスパイク数は3-6発程度と比較的少なく、バースト内のスパイクの1発目から2発目、3発目とスパイクサイズの減少とスパイク間隔の延長が見られる。(4)RS細胞(Regular Spiking cell):バースト発火を示さない細胞。これらの細胞の内、FS細胞は抑制性介在ニューロンであることが知られており、バースト内のスパイク数の多さから見ても強力な抑制効果を持つと予測される。遅延サッカード課題遂行中のサル前頭眼野(FEF)から細胞活動を記録し解析した結果、FS細胞はRS細胞、FRB細胞、IB細胞に比較してつぎの2つのタイプの活動パターンが顕著であった。(1)サッカード目標刺激呈示直後の短潜時かつ短時間の興奮性活動(2)サッカード眼球運動前後の抑制性活動または興奮性活動。つぎに、同時記録した2つの細胞の相互相関を調べた結果、FS細胞からRS細胞への抑制性結合が顕著であった。サッカード前後のFS細胞の活動停止と開始は、眼球運動の開始と停止を制御していることが予測される。FS細胞からRS細胞への抑制性結合を示す相互相関が顕著であったことは、FS細胞の眼球運動制御におけるこうした役割を示唆する。
|