研究課題/領域番号 |
16015276
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
朝長 啓造 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10301920)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ボルナ病ウイルス / 持続感染 / シナプス / ストレス応答 |
研究概要 |
ボルナ病ウイルス(BDV)感染あるいはBDV P蛋白質発現によるグリア細胞の機能傷害機構を明らかすることにより、ウイルス感染によるシナプス脆弱化の分子機序の解明を試みた。BDV持続感染グリア細胞をさまざまなストレス条件下で培養した。その結果、BDV感染細胞では、ストレス負荷のともなうHPS70の発現誘導に顕著な阻害が観察された。HSP70 の誘導に低下が見られた細胞では、ストレスによる急激な円形化ならびに培養プレートからの剥離が認められた。さらに、F-アクチンの崩壊も明らかとなった。これらの結果は、BDV感染グリア細胞における細胞骨格と細胞間接着能の脆弱化を示唆するものであった。また、感染グリア細胞では、ストレス刺激によるPKR発現の不応答も明らかとなり、HSP70の誘導異常は、PKRシグナルの崩壊によるHSP70m RNAの安定性の低下によるものと推察された。一方、P蛋白質の発現が、ストレス誘導性のp53の転写活性化能やcdc42の発現も顕著に低下していることが明らかとなった。これらグリア細胞の障害は、いずれも神経突起伸長促進因子HMGB1あるいはその受容体であるRAGEの機能との関連性が示唆されるものである。BDVのP蛋白質はHMGB1と直接結合することから、P蛋白質の発現が、これら宿主因子の機能を多岐にわたり阻害している可能性が出てきた。HMGB1とRAGEの相互作用は、シナプス形成に重要な細胞間の接着にも機能を担っていることが報告されており、BDV感染動物やPタンパク質発現トランスジェニックマウスで見られるシナプスの崩壊は、これら分子の機能不全による可能性が考えられる。実際に、BDV感染ラットの脳ではRAGEの発現が顕著に低下しており、ストレス付加による神経細胞のアポトーシスも観察されている。
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