研究課題/領域番号 |
16015279
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
齋藤 尚亮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
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研究分担者 |
白井 康仁 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助教授 (60263399)
柏木 香保里 神戸大学, バイオシグナル研究センター, COE研究員 (10372666)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2004年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 神経可塑性 / プロテインキナーゼC / GFP / イメージング / 遺伝子操作動物 / シルグリセロールキナーゼ / 長期抑圧 |
研究概要 |
本研究では、PKCとDGK分子機能相関を明らかにした上で、小脳スライスのLTDに対してPKCとDGKの結合および相互機能修飾がどのように働くかを、電気生理学的現象と同時にライブイメージングを用いて神経可塑性における分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。 その結果、(1)GFP標識PKCを発現する遺伝子操作動物を作製した。この動物においてはGFP標識PKCの脳内の発現部位および発現時期がともに制御可能であり、各脳部位でのPKC分子のライブイメージングが可能であるだけでなく、各脳部位でのPKC発現による行動変化の解析も可能である。今回、この動物の小脳スライスを用いて、Purkinje細胞におけるgammaPKC-GFPのイメージングを行ったところ、平行線維刺激によっては、gammaPKC-GFPの細胞膜へのトランスロケーションが、樹状突起遠位から近位へと伝播する様子が認められた。この事実は、シナプスを介した刺激によりPKCの活性化がニューロン内で伝播されることを示しており、LTDの分子メカニズムを理解する上で非常に興味深い。(2)小脳Purkinje細胞に共存する2種類のリン酸化酵素PKCおよびDGK分子間の機能的協関を解析した。PKCとDGKは、PKCの活性化とともに結合し、DGKはPKCによりリン酸化されることが明らかとなった。Mass spectrometryにより、DGKのリン酸化部位を決定し、変異体を作製した結果、PKCによるDGKのリン酸化は、DGK活性の上昇を導くことが明らかになった。これらの結果は、受容体刺激によるDG産生およびCa2+上昇を介したPKCの活性化は、DGKの細胞膜上でのPKCとの結合を引き起こし、そこでのDGKのPKCによるリン酸化による活性化を導く。このDGKの活性化は細胞膜上のDG量を減少させ、PKCの活性化を終了させると推測され、LTDの分子機構にも重要なメカニズムであると考えられる。
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