研究課題/領域番号 |
16015280
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神谷 温之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10194979)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2004年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 海馬 / シナプス伝達 / カルシウム / カルシウムイオン |
研究概要 |
海馬CA3野苔状線維シナプスにおけるNMDA受容体非依存性のシナプス前性長期増強(long-tempotentiation : LTP)の誘発には、繰り返し刺激に伴うシナプス前部でのカルシウム濃度上昇が重要な役割を果たす。本研究では、苔状線維シナプスに特異的に発現するカイニン酸受容体がLTP誘発時のシナプス前終末内カルシウム動態を制御する可能性について検討した。AMPA型およびカイニン酸型受容体の非特異的阻害剤であるCNQXは、単発刺激によるシナプス前部でのカルシウム上昇に影響を与えなかったが、LTPを誘発する100Hz1秒の高頻度刺激によるシナプス前カルシウム上昇を部分的に抑制した。AMPA型受容体の選択的阻害剤であるGYKIは単発および高頻度刺激に対する応答にほとんど影響を与えなかった。海馬苔状線維の繰り返し刺激に伴いカイニン酸受容体が活性化されてシナプス前部でのカルシウム動態を活動依存的に増幅し、苔状線維シナプスにおけるシナプス前性LTPの誘発に促進的に作用するという機序が考えられた。また、この研究を進めるなかで、苔状線維終末には機能的なリアノジン受容体が特異的に存在し、カルシウム誘発性カルシウム放出の機構を介して、繰り返し刺激によるシナプス前部でのカルシウム動態を増幅することを見出した。さらに、カイニン酸受容体とリアノジン受容体の二つのシナプス前終末内カルシウム動態増幅機構の時間経過を比較したところ、カイニン酸受容体成分のほうがリアノジン受容体成分より活性化・脱活性化ともに速やかに起こることを見出した。
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