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匂いの記憶・学習の分子生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16015286
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関高知大学

研究代表者

椛 秀人  高知大学, 医学部, 教授 (50136371)

研究期間 (年度) 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2004年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
キーワードフェロモン記憶 / 匂い嫌悪学習 / 副嗅球 / 主嗅球 / プロテインキナーゼC / PI-3キナーゼ
研究概要

交尾を契機に雌マウスに形成される雄フェロモンの記憶は、フェロモン情報処理系(鋤鼻系)の最初の中継部位である副嗅球に生ずるシナプスの可塑的変化によって支えられている。フェロモンの記憶に加えて、申請者らはまた、新生仔ラットにおける匂い学習も優れたモデル系であると考え、そのメカニズムを解析してきた。新生仔ラットは、嗅覚と体性感覚に頼って外部環境との関係を発達させるため、この時期は匂いの条件付けが強く成立する感受性期なのである。事実、匂いと電撃を30分間1回対提示するだけで、この匂いに対する嫌悪学習が成立する。この匂い学習は、主嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞の相反性シナプスが深く関わり、転写因子CREB(cyclic AMP response element binding protein)の発現とそのリン酸化を介して成立する。本研究では、これまでの成果を基盤として、匂いの記憶・学習の分子メカニズムの解明を目指し、下記の成果を得た。
副嗅球の顆粒細胞にα-PKCが発現していることが明らかになっている。そこで今回、フェロモン記憶形成の臨界期に両側の副嗅球へPKCの選択的阻害薬であるGF109203X、0.5nmolを2回注入してその記憶阻害効果を検討したが、この濃度では記憶阻害効果は認められなかった。再度濃度を上げて検討する予定である。
新生仔における匂いの嫌悪学習の成立にMAPKによるCREBのリン酸化が関わることを明らかにしている。今回さらに、PI-3キナーゼの関与を検討した。匂いと電撃の対提示トレーニング中にPI-3キナーゼの選択的阻害薬であるwortmanninを両側の嗅球へ注入した。この注入により濃度依存的に学習が阻害されるとともに、CREBのリン酸化も有意に低下した。これらの結果は、トレーニング中にPI-3キナーゼが活性化され、CREBをリン酸化して学習を成立させることを示唆する。

報告書

(1件)
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Remodeling of reciprocal synapses associated with persistence of long-term memory2004

    • 著者名/発表者名
      Matsuoka, M.
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience 19

      ページ: 1668-1672

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Differences in development and cellular composition between neuronal cultures of rat accessory and main olfactory bulbs2004

    • 著者名/発表者名
      Muramoto, K.
    • 雑誌名

      Anatomy and Embryology 209

      ページ: 129-136

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] フェロモン記憶とシナプス可塑性2004

    • 著者名/発表者名
      椛 秀人
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 増刊号(49(3))

      ページ: 419-424

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] 香りの研究エッセイ2005

    • 著者名/発表者名
      椛 秀人
    • 出版者
      フレグランスジャーナル社(印刷中)
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2018-03-28  

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