研究課題/領域番号 |
16015289
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
林 初男 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (00108664)
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研究分担者 |
石塚 智 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (40124804)
立野 勝巳 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助手 (00346868)
中島 孔志 九州工業大学, 情報科学センター, 助手 (90346867)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2004年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 海馬 / 歯状回 / 神経回路網モデル / STDP / θバースト信号 / 時系列情報コーディング / バンドパスフィルタ特性 |
研究概要 |
1.入力信号の時間的順序関係をコードする海馬CA1ニューロン集団の形成 本研究では、海馬CA3-CA1神経回路網モデルを構築し、CA3層に入力される信号の時間的順序関係を学習したニューロンがCA1層に形成されることを明らかにした。CA3とCA1層それぞれの4つの局所領域にθバースト信号を20msずつずらして入力した。その結果、スパイクタイミングに依存して可塑的に変化する反回性興奮シナプスを持つCA3層では、それぞれの入力部位からニューロン活動の放射状伝搬が生じ、次に、CA3層とCA1層をつなぐシャファー側枝シナプスの一部が強化された。これらの強化されたシナプスで結合されたCA1ニューロンは、学習した時と同じ順序で信号をCA3層に入力したとき、最もよく応じるようになった。これは、CA1ニューロンが、信号の時間的順序関係をコードしたことを示している。 2.歯状回神経回路モデルのバンドパスフィルタ特性 これまでの研究で、歯状回基本神経回路を用い、θ周波数領域の信号を通すバンドパスフィルタ特性を再現した。本研究では、歯状回神経回路モデルの規模を大きくし、バンドパスフィルタ特性が顆粒細胞への入力信号の同期の程度やランダム入力の強さに依存することを明らかにした。入力信号が同期するほどバンドパスフィルタ特性は顕著になるが、同期が崩れるとバンドパスフィルタ特性は失われ、θバースト信号も通りにくくなる。すなわち、歯状回は、単にθ周波数領域の信号を通すのではなく、同期した信号であることも要求することが明らかになった。
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