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線条体投射ニューロンの情報伝達系異常によるパーキンソン病様症状出現機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16015292
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関京都大学

研究代表者

佐野 裕美  京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興)(常勤形態) (00363755)

研究期間 (年度) 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2004年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
キーワードホスホジエステラーゼ / 線条体 / 社会的行動 / パーキンソン病 / cAMP / cGMP
研究概要

ホスホジエステラーゼ10A2(PDE10A2)は、線条体投射ニューロン特異的に発現するcAMP-、cGMP-ホスホジエステラーゼであり、線条体投射ニューロン内のcAMP、cGMPの分解を促進することにより、運動機能の調節をはじめとする多彩な生理機能を調節しているのではないかと考えられている。そこで、線条体投射ニューロンにおけるcAMP、cGMPを介する情報伝達系の異常と、パーキンソン病に特有な症状の発現との関係を明らかにするため、PDE10A2欠損マウスを利用して、PDE10A2が制御する神経生理機能の解析を行った。
PDE10A2欠損マウスの線条体におけるPDE活性およびcAMP量を測定したところ、PDE活性は野生型マウスの約65%に減少し、cAMP量は約1.4倍に増加していた。また、タンパクレベルでのPDE10Aの発現は野生型マウスの約10%に減少していた。このPDE10A2欠損マウスの行動を解析したところ、オープンフィールドにおける自発運動量は野生型マウスと比較して減少の傾向が認められた。また、明暗テストにおける不安様行動には異常が認められなかったが、高架式十字迷路ではPDE10A2欠損マウスにおいて不安様行動が亢進した傾向が認められた。更に、新規環境下社会的行動テストにおいては、互いに会ったことのない2匹のPDE10A2欠損マウスがコンタクトする時間が有意に増加しており、社会的行動に変化が認められた。PDE10A2欠損マウスにおける自発運動量の低下、不安様行動の亢進、社会的行動の変化は、線条体投射ニューロンにおけるcAMP、cGMPを介する情報伝達系の変化に起因するものであり、線条体投射ニューロンにおける情報伝達系の異常がパーキンソン病で認められる運動障害だけでなく精神障害にも関わっている可能性が示唆された。

報告書

(1件)
  • 2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2018-03-28  

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