研究課題/領域番号 |
16015297
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
池田 啓子 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10265241)
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研究分担者 |
川上 潔 自治医科大学, 医学部, 教授 (10161283)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | Naポンプ / α2サブユニット / KCC2 / 呼吸中枢神経系 / 摘出脳幹脊髄標本 / クロライドイオン濃度 |
研究概要 |
ほ乳類のすべての細胞に存在するNa,K-ATPaseは、ATPの加水分解エネルギーを利用し、細胞膜内外のNaイオンとKイオンの濃度勾配を形成するポンプである。αとβの2つのサブユニットから構成され各々複数のアイソフォームが存在する。α1アイソフォームはすべての細胞に存在するのに対し、α2アイソフォームは神経、筋肉等の興奮性組織に存在する。後者の発生過程や生体内における特異的な機能は最近まで不明であったため、申請者はα2遺伝子ノックアウトマウスを作成し、生化学的、電気生理学的に解析を試みた。ホモマウスの外見は正常で野生型と同様に生まれてくるが、生直後から呼吸活動が開始せず10数分後に死亡する。摘出脳幹脊髄標本で呼吸活動を観察したところ、自発的な呼吸活動が欠如していた。電気刺激による応答は存在するため呼吸リズム活動を形成する素子としての神経細胞やネットワークは保持されていることがわかった。膜電位色素を用いて神経活動を観察したところ、野生型では抑制性の活動がでる領域で、ホモマウスでは興奮性神経活動に変換していた。さらに呼吸中枢が存在する部位のスライス標本にてグラミシジンパッチ法を行いGABAの逆転電位を測定し、細胞内クロライドイオン濃度を計算した。ホモマウスでは野生型に比し優位に上昇していた。その分子基盤として、神経細胞内クロライドイオンの排出に関わるK-Cl共輸送体(KCC2)とα2サブユニットが膜近傍で共局在することが明らかになった。また、GABAの再取込に関与するGABA輸送体との共役も明らかになった。以上の結果よりα2サブユニットは、種々の輸送体とカップルすることにより輸送体の機能を制御し、結果として周産期の呼吸中枢神経系の機能成熟に必須であること、この機能は同時に存在するα1サブユニットでは代償されないことが明らかにできた。
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