研究課題/領域番号 |
16015302
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
宇賀 貴紀 順天堂大学, 医学部, 講師 (50372933)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 両眼立体視 / 大脳皮質 / 連合野 / 神経生理学 / 視覚 |
研究概要 |
サルの奥行き弁別能力は、その情報を担う大脳皮質MT野ニューロンの弁別能力に制約されると考えられている。限られた情報からより高い弁別能力を発揮するため、サルは複数のニューロンから情報を集合(pooling)しているという仮説がある。この仮説を検証するため、本研究では、サルが弁別を行っている最中に1つの単一ニューロンと周辺のマルチユニットを記録し、複数のニューロン活動でサルの弁別能力を説明できるか検証した。 サルが奥行き弁別を遂行中に、大脳皮質MT野からニューロン活動を記録し、単一ニューロンとマルチユニットを分けだした。まず、記録した単一ニューロンの弁別閾値とマルチユニットの弁別閾値とをreceiver-operating characteristic(ROC)解析を用いて計算し、比較した。すると、単一ニューロンの弁別閾値とマルチユニットの弁別閾値とに差はなかった。すなわち、複数のニューロン活動を足し合わせても情報量が増えるというわけではない。これは、足し合わせた情報が独立でなかったためであるかもしれない。そこで次に、単一ニューロンとマルチユニット間の情報の独立度を測定した。すると、両者のトライアル毎の発火数の変動には強い正の相関があった(平均r=0.45,N=56)。これは、2つの単一ニューロン間で一般的に見られる相関よりも強い。したがって、複数のニューロン活動を足し合わせただけでは、情報が相関しているため、結果としてより弁別能力を高めることはできない。
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