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発達後期におこる神経回路機能の再編成-抑制性伝達物質のスイッチングと制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 16015313
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関生理学研究所

研究代表者

鍋倉 淳一  生理学研究所, 発達生理学研究系, 教授 (50237583)

研究期間 (年度) 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2004年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
キーワード発達 / 再編成 / スイッチング / 神経回路
研究概要

ラット聴覚中継路核である内側台形体核(NMTB)から外側上オリーブ核(LSO)に入力する抑制性回路において、生後0-3日目は主にGABA作動性入力であり、発達に従い次第にグリシン作動性に変化した。終末から放出される単一シナプス小胞によるイベントである微小シナプス電流(mIPSCs)について、発達各時期において解析を行なった結果、mIPSC自体が未熟期のGABA作動性から、GABA+グリシンのco-releaseを経て成熟期のグリシン作動性に変化することが判明した。免疫電顕にて個々のグリシン陽性終末内のGABAの含有量が発達に伴い次第に減少することが判明した。この結果はLSOに入力する抑制性伝達様式が単一シナプスレベルでGABAからグリシンへ発達スイッチすることを意味する。伝達物質の単一終末レベルでのスイッチという全く新しい神経回路の発達再編を提起できた。次に、GABAが同様のCl-チャネルを活性化するグリシンへ発達変化する生理学的意義を検討するために、代謝型GABA-B受容体の発現/機能の発達変化を検討した。未熟期LSO細胞にはGABA-B受容体が強く発現しており、LSOへの抑制性入力を低頻度刺激すると、シナプス後細胞GABA-B受容体を介するGABA入力の長期抑圧(LTD)が観察された。発達に伴い、LSO細胞のGABA-B受容体の染色性、抑制性LTD発生は消失した。成熟期LSOの本来の機能である音源定位という安定した機能回路を獲得するために、未熟期における回路再編に関連すると考えられるGABAによる可塑性が発達と共に消失し、sharpな抑制性シナプス電流を惹起するグリシンへ発達スイッチするのかも知れない。

報告書

(1件)
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Developmental Switch from GABA to glycine release in single central synaptic terminals.2004

    • 著者名/発表者名
      Nabekura J, Katsurabayashi S, ら
    • 雑誌名

      Nature Neuroscience 7

      ページ: 17-23

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Experience-dependent changes in intracellular Cl-regulation in developing auditory neurons.

    • 著者名/発表者名
      Shibata S, Kakazu Y, Okabe A, Fukuda A, Nabekura J.
    • 雑誌名

      Neurosci Res 48

      ページ: 211-220

    • NAID

      10014233221

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Membrane-embedded C-terminal segment of rat mitochondrial TOM40 constitutes protein-conducting pore with enriched b-structure.

    • 著者名/発表者名
      Sasaki H, Nabekura J, Sakaguchi M, Mihara K
    • 雑誌名

      J Bil Chem (In press)

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2018-03-28  

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