研究課題/領域番号 |
16015321
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
作田 拓 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 助手 (40343743)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2004年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 網膜視蓋投射 / アンタゴニスト / Ventroptin / BMP-2 / BMP-4 |
研究概要 |
BMP中和分子Ventroptinは発生初期網膜においてBMP-4の、発生後期においてはBMP-2の活性を調節することにより背腹・前後両軸方向における網膜視蓋投射を制御する。発生後期の網膜視蓋投射制御機構を解析するためRNAiを用いた特異的遺伝子発現抑制系や薬剤による時期特異的発現誘導系を開発し、BMP-2の発現レベルを変化させ、その影響を検討した。 BMP-2やVetroptinの下流では多くの領域特異的分子が存在し、これらはBMP-2やVentroptinと同様に二重勾配分子であると予想される。そこで、まず既知の領域特異的分子のE8網膜における発現パターンを見直したところ、Tbx5、cVax、ephrin-B1、ephrin-A2、EphB2等が新たに二重勾配を持って発現していることが判明した。BMP-2の発現を抑制すると、これらの二重勾配分子のうちTbx5、ephrin-B1といった背後側で多く発現する分子の発現が減少し、cVax、ephrin-A2、EphB2といった腹前側で多く発現する分子の発現は増加した。これに対してCBF-1、CBF-2、GH6、SOHo-1、ephrin-A5、EphA3の発現パターンには変化が見られなかった。発生後期にBMP-2を異所的に発現させた場合では、BMP-2の発現抑制の場合とは逆に背後側分子の発現が増加し、腹前側分子の発現が減少した。また、このときもCBF-1等の発現には影響は見られなかった。移植実験から背腹軸方向における網膜内の領域特異性はstage 13/14頃までに決定し、その後不可逆であるとされていたが、以上の結果はstage 13/14以降も網膜内の細胞は可塑性を有しており、BMP-2が背腹軸方向における領域特異性の維持に不可欠であることを示している。さらにBMP-2は二重勾配分子であり、この制御下に多数の二重勾配が存在していることから、BMP-2は背腹軸を単に維持するばかりではなく背腹軸の方向を制御することにより前後軸方向における領域特異性をも支配しているものと考えられる。
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