研究課題/領域番号 |
16015339
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
齋藤 実 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (50261839)
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研究分担者 |
宮下 知之 財団法人東京都医学研究機構, 研究員 (70270668)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | NMDA受容体 / 学習記憶 / 分子メカニズム / ショウジョウバエ |
研究概要 |
NMDA受容体(NR)サブユニットNR1のショウジョウバエホモローグdNR1はMg2+ブロックに必要なアミノ酸配列を持つが、NR2ホモローグdNR2ではMg2+ブロックに必要なアミノ酸配列を持たない。dNR1タンパクは匂い記憶に重要なキノコ体、antennal lobe、optic lobeなどのシナプス部位に存在し、dNR1、dNR2 mRNA両者とも同じ領域に由来する細胞に共発現している。ショウジョウバエの培養細胞であるシュナイダー(S2)細胞に発現系を変更してdNRの電気生理学的性質を調べたところ、dNR1、dNR2の2つで構成されるチャネルはショウジョウバエの生理学な細胞外Mg2+濃度(20mM)で、ほ乳類NRと同様のMg2+ブロック特性を示すことが分かった。dNR1の発現変異体を用いて、匂い学習記憶行動の解析を行った。変異体は初期学習や麻酔耐性記憶には異常を示さなかった。しかし、タンパク合成依存性の長期記憶に顕著な障害が見られた。これらのことからdNRは学習獲得やタンパク合成非依存性の記憶ではなく、長期記憶に関わる記憶情報の処理過程で、重要な役割を持つことが示唆された。 Mg2+ブロックが、学習記憶行動において、どのような機能的意義をもつかを解明するため、Mg2+ブロックを消失するようにアミノ酸配列の変異を入れたdNR1(N631Q)[Mg2+ブロック消失型]とdNR2をS2細胞に共発現させ電気生理学的解析を行った。その結果、この組み合わせではMg2+ブロックが消失していることが認められた。そこでdNR(N631Q)を過剰発現させたトランスジェニックフライで、匂い学習を調べた。これまでの予備的実験では、dNR1に対する先の変異体、トランスジェニックフライ同様の結果、即ち、正常な初期学習と長期記憶障害が観察された。
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