研究課題
特定領域研究
「間(ま)」を合わせることは人間同士の協調作業において不可欠である。しかし、この「間」が合うことは物理的な同調とは異なっていることに注意しなければならない。われわれは同期タッピング課題において、人間の同調感覚は刺激に数10ms秒先行してタップする状態に対応することを既に明らかにしており、このことは認知的な「いま」は未来としての予測的領域に創出されることを意味しているからである。したがって、人間と機械の関係においても、物理的リアルタイム性に基づく従来型の協調制御に加えて、認知的同時性としての「間」の共有が考慮されなければならない。そこで本研究課題では、このような「間」の共有機構を明らかにし、それに基づく共創インタフェースの設計論を確立することを目標とした。そこで本研究では、上記の同期タッピングにおいて予測的タイミング制御として観察される「間」の創出機構を認知神経科学的に解析し、脳高次機能が関与する認知的過程と、それが関与しない身体的過程として時間感覚の創出機構が二重化されていることを明らかにした(三宅、大西、高野、岩田、川島、野澤、ペッペル)。さらに、タッピングの時系列解析も進め、両過程のダイナミクスの違いも解明した(三宅、小松)。そして人間2人の協調タッピングにおいて「間」の共創プロセスを計測し数理的にモデル化することにも成功した(三宅、今)。このような成果を踏まえて、より広いクラスの協調作業にモデルを拡張するために、人間同士の協調歩行の解析と歩行介助システムWalk-Mateへの応用を進めた(三宅、武藤、高梨、小林哲)。さらに音楽的インタラクションの解析と再構成にも適用した(三宅、山本、小林洋)。これらの基礎研究と応用研究によって、「人間と共生できる情報システム」としての共創インタフェースの設計原理を明らかにした。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (12件)
3-rd Conference on Creating, Connecting and Collaborating through Computing (C5 2005) (T Sakai, K Tanaka, K Rose, H Kita, T Jozen, H Takada (Eds.)) (IEEE Computer Society Press, Los Alamitos)
ページ: 169-172
ヒューマンインタフェース学会論文誌 Vol.7, No.4
ページ: 61-70
10016806122
計測自動制御学会論文集 Vol.41, No.10
ページ: 866-875
計測自動制御学会論文集 Vol.41, No.8
ページ: 702-711
130003971490
計測自動制御学会論文集 Vol.41, No.6
ページ: 518-526
10016437996
計測自動制御学会論文集 vol.41, no.4
ページ: 380-382
10015471632
第17回自律分散システム・シンポジウム資料
Proc.of SICE Annual Conference 2004 (SICE2004)
130005441160
Proc.of 13th IEEE International Workshop on Robot Human Interactive Communication (RO-MAN2004)
130006960529
第5回SICEシステムインテグレーション部門講演会講演論文集(SI2004)