研究課題/領域番号 |
16016252
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
尾形 哲也 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (00318768)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2005年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2004年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | RNNPB / 能動知覚 / 擬似シンボル / プリミティブ / 追加学習 / 人間機械協調 / 記号接地問題 |
研究概要 |
実ロボットシステムにおいて従来のパターン認識技術(状況分類)は、その行動生成に直接役に立たない。本研究では認識を"対象の挙動を予測する行為"として捉える立場をとり、これに関する実験研究を行った。具体的には、感覚運動時系列情報(ダイナミクス)に基づく分節化表現(プリミティブ)に着目し、ロボットが実世界で獲得するプリミティブ表現の分析を行った。 学習・認識・生成を同時に行う手法として、パラメータ付再帰結合神経回路モデル(RNNPB)を利用した。RNNPBは複数のプリミティブを自己組織的に獲得し、その切り替えをパラメータにより制御する予測学習器である。 (1)ロボットによるダイナミクス規範能動知覚: RNNPBによる物体能動知覚機能をロボットRobovie-IIsに導入した。対象への接触時に生じる音、動き、圧力、モータ関節角度のダイナミクスをRNNPBのパラメータ空間に表現させた。20種類以上の物体をパラメータ空間でクラスタリングが可能であること、さらに未知物体のクラスタリングも可能であることを確認した。 (2)ロボットによる擬似シンボル生成とその構造・解釈: ロボットと人間による卓上物体の協調移動を対象に、RNNPBが獲得するプリミティブの解析を行った。モータ関節角度と物体位置情報を観測させ、RNNPBのパラメータを閾値処理することにより擬似シンボルを生成した。実験の結果、パラメータ数に応じた擬似シンボルを生成可能であることが確認された。 提案した擬似シンボルは"ロボットが自ら生成・利用できる"点で有効であるが、タスクが時間的に変化していく場合は対応しきれない。今後追加学習&汎化を可能とする枠組みを考慮する必要がある。また現時点の擬似シンボルは感覚運動ダイナミクスのアトラクターの境界条件にすぎない。今後、文法・論理構造など自然言語との関係をより詳細に検討していく必要がある。
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