研究概要 |
本研究はセマンティックウエッブコンピューティングのための概念体系の収集と統合する方法について研究するものである.セマンティックWebはこれまでの単なる情報の流通から意味を含有した情報の流通を可能としようとする試みである.意味を含有した情報とはまさに知識であり,その典型的な表現の一つは概念とその関係である.そこで,本研究ではこの概念体系に注目して,その流通を可能とする方法について研究するものである. 本研究ではこの概念体系の構築と流通に関して二つのアプローチを取っている.ひとつは"公共的"概念体系の収集と統合であり,もうひとつは"私的"概念体系の収集等と統合である.前者においては,少数の大規模な概念体系を対象としてそのシステマチックな統合アルゴリズムの構築と集中的管理方法が研究の焦点となる.後者におていはいかに多くの人間が自らの概念体系を公開できるかというのがボトルネックになるので,本年度はこの点に焦点をあてた. 本年度は実用的なシステム構築を主眼として研究を行い,メタデータを用いた情報共有を実現するシステムを構築した.本システムではWeblogを用いて情報共有を行うが,この場合のメタデータは個々の記事のコンテクスト(文脈)である.本システムではこのコンテキストをユーザがおかれた状況をセンサーデータから推定する.一つの実装は学術会議の参加者の支援システムであり,会場にある各種システムの利用からコンテクストを獲得する.このシステムは2つの会議で実際い利用された.2番目は携帯電話を利用したシステムであり,GPS情報やユーザによるランドマーク情報からコンテキストを推定する.
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