研究課題
特定領域研究
感染において効果的生体防御反応を誘導するためには、感染源によって異なる、免疫反応(Th1,Th2)を惹起することが重要である。17年度では樹状細胞でNK-T細胞を刺激する系をin vitro, in vivoで確立し、樹状細胞を刺激・成熟させるサイトカインのタイプによって、これら樹状細胞によって刺激されるNK-T細胞の産生するサイトカインが、負のフィードバックを受けることを発見した(Blood, 2005)。すなわち、Th1サイトカイン(IFN-γ)で成熟した樹状細胞はNK-T細胞よりTh2サイトカイン(IL-4)を、Th2サイトカインで成熟した樹状細胞は、Th1サイトカインを優先的に産生させることが判明した。また、生体内でこのフィードバック機構を応用し、Th1優位な状況のもとで、抗腫瘍免疫増加に成功した。このような、フィードバック機構は、ホストにとって有利な感染免疫応答を誘導する上で応用できると考えられる。これまで樹状細胞とNK-T細胞間で働くフィードバックは全く知られておらず、今回の発見は、NHK TVニュース、新聞等で報道された。この現象の分子メカニズムを解明するため、樹状細胞上の補助刺激分子、負のシグナルを送るリガンドの発現パターンの変化と機能との関係で、幾つか知見が得られている。さらに、樹状細胞のマイグレーションに必要なシグナル伝達系として、JNKを同定した(Int.Immunol.2005)。また、CD40刺激を介する樹状細胞のIL-6、IL-12産生系では、MAPKとNF-κBが異なる役割を果たすことを発見し(Immunology, in press)、またTLR刺激によるTh1、Th2偏位の分子メカニズムも明らかにした。
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