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インフルエンザウイルスにおけるHA蛋白への糖鎖付加による免疫回避機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16017214
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関山形大学

研究代表者

高下 恵美  山形大学, 医学部, 助手 (30361249)

研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
キーワードインフルエンザウイルス / HA / 糖鎖
研究概要

インフルエンザウイルスは、ウイルス粒子表面にレセプター結合活性をもつHAとレセプター破壊活性をもつNAと呼ばれる2種類の糖蛋白質をもっている。これまでの研究から、インフルエンザウイルスでは、宿主免疫からの回避に主要抗原であるHA球状部の糖鎖の数と分布が大きな影響を与える可能性が浮かび上がってきた。この可能性を検証するのが本研究の目的である。インフルエンザA/H3N2ウイルスは、1968年の出現当時にはHAの球状部に2本の糖鎖をもつにすぎなかったが、1997年の分離株は6本の糖鎖をもつに至っている。そこで、本研究では1968年の出現当時に分離されたウイルスのHAを鋳型にして分離株と同じ位置に新たに糖鎖付加部位を導入し、HAの生物活性と抗原性に及ぼす糖鎖付加の影響を検討した。
本年度は、リバース・ジェネティクスを用いて、上記の変異HAをもつ人工A/H3N2ウイルスの作成を試みた。その結果、1〜5ヶ所の糖鎖付加部位をもつ変異HAウイルスの作成に成功した。しかし、そのうち4〜5ヶ所の糖鎖付加部位をもつ変異HAウイルスでは、NAにアミノ酸変異が起こっていた。また、A/Aichi/2/68株に対するポリクローナル抗体と各変異HAウイルスとの反応性を調べた結果、特に246位に糖鎖付加部位をもつ変異HAウイルスでは、野生型ウイルスと比べて著しく反応性が低下していた。
以上の結果から、A/H3N2ウイルスはHA蛋白球状部への糖鎖付加により、生物活性に致命的な影響を与えることなく抗原性を変化させることによって、効率よく宿主免疫から回避していると考えられた。また、HA球状部への糖鎖付加に伴ってNAにアミノ酸変異がみられたことから、両蛋白のレセプター結合及びレセプター破壊活性のバランスがインフルエンザウイルスの増殖に影響を及ぼす可能性が示唆された。

報告書

(2件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] インフルエンザウイルスのHA蛋白糖鎖と免役応答2006

    • 著者名/発表者名
      高下恵美ら
    • 雑誌名

      感染・炎症・免疫 35

      ページ: 322-325

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] Effect of the addition of oligosaccharides on the biological activities and antigenicity of influenza A/H3N2 virus hemagglutinin.2004

    • 著者名/発表者名
      Abe Y.et al.
    • 雑誌名

      Journal of Virology 78

      ページ: 9605-9611

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2018-03-28  

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