研究課題/領域番号 |
16017237
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
榎本 信幸 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
|
研究分担者 |
岡田 俊一 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (20283202)
坂本 穣 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (60324191)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
2005年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2004年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
|
キーワード | C型肝炎 / レプリコン / インターフェロン / IRF / ISDR |
研究概要 |
(1)HCV増殖制御分子群の同定 我々はHCV replicon増殖細胞、repliconをIFNで除去(cure)したcured-Huh7細胞、naiveなHuh7細胞を用いた検討から、HCV-replicon増殖にはIFN誘導遺伝子群(ISG)の発現低下が必要であることを示してきた。これまでの検討により、ISGの中でもHCV増殖との関連が強く示唆された23蛋白に絞り込み、それぞれ強制発現とノックダウンを行い、増殖制御にcriticalな分子を探索した。その結果、現在までに報告されていないGBP-1,IFI-6-16,IFI-27の3分子が、強力な抗HCV効果を示す分子であることを明らかにした。 (2)NS5A-ISDR配列によるreplicon増殖制御の解明 NS5A-ISDRにおけるアミノ酸変異がHCV replicon増殖に与える影響を、同領域に系統的な変異を導入することにより解析した。(1)臨床検体から得られた、ISDRにおける様々なパターンの多数変異(>4)配列をrepliconに導入した。(2)アミノ酸変異数のみでなく、変異部位が増殖に与える影響を検討するため、臨床的な解析からIFN感受性との関連性が示唆された複数の特定部位における1アミノ酸変異を導入した。 多数変異をもつrepliconすべて、また1アミノ酸変異を導入した群においては、特にIFN感受性との強い関連が示唆されているアミノ酸番号A2209の変異をrepliconに導入したとき増殖は著しく亢進し、HCV replicon増殖が臨床的なIFN感受性配列依存的に規定されていることが示された。 3)HCV増殖制御因子サイクロフィリンの同定 我々は昨年、免疫抑制剤であるサイクロスポリンAが、HCV repliconの細胞内増殖を特異的に抑制することを明らかにした。しかしながら同薬の抗HCV機序については不明であった。今回我々は、サイクロスポリンAの抗HCV機序が、PPIase(peptidyl prolyl cis-trans イソメラーゼ)活性を持つサイクロフィリンの抑制を通じたものであることを明らかにした。我々はさらに免疫抑制阻害活性を持たず、PPIase阻害活性のみ有するサイクロスポリンDの、抗HCV薬としての可能性も示した。
|