研究課題/領域番号 |
16017249
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
千葉 勉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30188487)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
2005年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2004年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | MALTリンパ腫 / H.pylori / Th2反応 / IL4 / Diffuse Large B / 細胞リンパ腫 / 胸腺摘出 / パイエル板 / T細胞 / B細胞 |
研究概要 |
ヘリコバクタ・ピロリ感染による胃MALTリンパ腫発症の機序を免疫学的に検討した。胃MALTリンパ腫はBalb/cマウスの生後3日目に胸腺摘除をおこない、これにH.pyloriを感染させることによって作製した。 1.H.pylori感染後12Mにはほぼ全例のマウスで胃MALTリンパ腫が発症した。また25%の例に血中にM蛋白の出現がみられた。 2.さらに免疫グロブリン遺伝子のCDR3領域のPCRによる検討では、胃粘膜ではある特定の遺伝子増幅が観察され、Oligoclonalityの形成が見られた。 3.さらにサイトカインのPCRでは、どのような感染マウスにも見られなかったIL4の発現が見られ、TARCなどTh2系のサイトカイン発現が特徴的に見られた。 4.本マウスの胃粘膜から細胞を単離し、in vitroで刺激実験をおこなった。その結果MALTリンパ腫細胞の増殖には、T細胞、H.pylori菌体、さらにCD11c陽性抗原提示細胞の存在が必須であることが判明した。またその際H.pyloriについては、CagA蛋白の存在は必須ではなかった。 5.上記4.の成績はヒトのH.pylori感染MALTリンパ腫細胞についても同様であった。 6.一方、ヒトのH.pylori陽性患者のDLBL細胞の増殖は、T細胞、H.pyloriおよびDCに非依存性であった。逆に胃粘膜のT細胞はDLBL細胞の増殖をやや抑制する傾向が見られた。 以上のように、H.pyloriの発症にはTh1反応に加えてTh2反応の存在が必須であること、またMALTリンパ腫細胞の増殖には、H.pylori特異的なT細胞のヘルプが必要であることが示唆された。
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