研究課題/領域番号 |
16017254
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人医薬基盤研究所 (2005) 大阪大学 (2004) |
研究代表者 |
森 康子 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤研究部感染制御プロジェクト, チーフプロジェクトリーダー (50343257)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2005年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2004年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | ウイルス粒子 / エンベロープ / HHV-6 / コレステロール / 膜融合 / ヒトヘルペスウイルス6 / 細胞膜融合 / CD46 / gH / gL / gQ1 / gQ2 / gO / 糖タンパク / 細胞向性 |
研究概要 |
ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)は、Tリンパ球向性のウイルスであり、βヘルペスウイルスに属する。現在では、塩基配列や抗原性の違いにより、二つのバリアントに分けられている(HHV-6A,HHV-6B)。HHV-6Bは突発性発疹の原因ウイルスであるが、HHV-6Aに関してはその病態は不明である。本研究は、HHV-6の宿主細胞へのエントリー機構に関わる因子を探索し、その機序を解析することを目的とする。本年度の成果を以下に記す。 1.HHV-6ウイルスエンベロープを構成するコレステロールを薬剤処理によって除去することにより、HHV-6の細胞内への感染およびHHV-6が引き起こす細胞膜融合が阻害された。しかし、ウイルス粒子自体の細胞への結合は完全には阻害されなかった。gH/gL/gQ1/gQ2複合体(HHV-6リガンド)のヒトCD46(宿主レセプター)への結合も完全には阻害されなかった。 2.薬剤処理によってもウイルスエンベロープに存在する糖タンパクの複合体(gH/gL/gQ1/gQ2およびgBの二量体)に変化は認められなかった。 3.以上の結果より、ウイルスエンベロープを構成するコレステロールはウイルスの宿主細胞への侵入過程、特にウイルスエンベロープと細胞膜の融合過程に重要な役割を果たしていることが示唆された。この機序としてコレステロールを除くことにより、エンベロープに存在する糖タンパクの基盤が緩みウイルスの宿主細胞への結合後に起こる糖タンパクの構造変化が起こらず、そのため膜融合ができなくなる可能性が考えられた。 ウイルス粒子上のコレステロールの宿主細胞への侵入過程での重要性が示唆され、本結果は、HHV-6感染症の治療法開発に繋がる可能性があり、意義深いと考えられる。
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