研究課題/領域番号 |
16017265
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
水島 徹 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (00264060)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2005年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2004年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | DNA複製開始反応 / 新規抗菌剤 / DnaA / ATP / ORC |
研究概要 |
医療現場において、MRSA (メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)などの薬剤耐性病原菌が大きな問題となっている。これら耐性菌は既存の多くの抗菌剤に対し耐性を示すので、この問題の解決のためには、既存の抗菌剤とは違う全く新しいターゲットを持つ新規抗菌剤の開発が必要である。本研究の目的は、我々がこれまで行ってきた細菌の染色体DNA複製開始蛋白質DnaA、及び真菌の染色体DNA複製開始蛋白質ORCに問する研究成果を土台にして、染色体DNA複製開始反応をターゲットとする新しい抗菌剤を開発することである。今年度我々は以下の研究成果を上げた。 1.DnaAのATP結合阻害剤に問しては、昨年度合成した10種類以上の新規化合物のATP結合阻害活性、抗菌活性を解析した。その結果、ATP結合阻害活性がかなり強く、抗菌活性もかなり強い化合物が得られた。またこの化合物は、DNA複製反応を特異的に阻害することにより、抗菌作用を発揮していることを見いだした。 2.ATP結合活性以外をターゲットとしたDnaAの阻害剤の開発に開しては、膜リン脂質結合活性、及び重合活性)に関して、アッセイ系を確立した。 3.ORCの種々の活性に関しては、ATP結合、ATPase、膜リン脂質結合、重合、MCM結合活性に開与するサブユニット(機能ドメイン)の決定に、世界で初めて成功した。またその機能ドメインに変異を導入した変異ORCを作成し、その機能を解析したところ、ATPase活性、及び重合活性に開する変異ORCが複製開始活性を全く持たないのに対し、ATP結合、ATPase、膜リン脂質結合、重合、MCM結合活性を持たないORCは弱いながらも複製開始活性を示した。以上の結果は、抗真菌薬のターゲットとして、ATPase活性、及び重合活性が有望であることを示唆している。
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