研究課題
特定領域研究
ヘリコパクター・ピロリの持続感染は慢性胃炎、消化性漬瘍さらには胃癌や.MALTリンパ腫を引き起こすことガ知られている。ヘリコパクター・ピロリは胃粘膜に生息するが、胃粘膜細胞への侵入性はなく、強力な蛋白毒素である空胞化毒素、VacA毒素を産生する。本研究では、VacA毒素の胃粘膜障害にいたる細胞内シグナル伝達の流れを明らかにすることを目的とし、1)受容体の毒素結合部位と細胞内移行の機序、2)VacA毒素による細胞死の機構の二つに焦点を当てて解析した。その結果1)胃粘膜細胞のVacA毒素受容体であるRPTPβのN末端より数えて747-751番目のアミノ嘩(QQP)がVacA毒素結合に必須であり、加えて748位あるいは789位のThrが結合に重要であることが判明した。747-751番目のアミノ酸(QTTQP)はO-glycosylationされていることが示唆されており、VacA毒素との結合にシアル酸が重要であることとも一致した。一方、VacA毒素の細胞内移行にはlipid raftの関与が重要であることが知られていたが、RPTPβの関与については明らかにされていない。我々は、VacA毒素が最初にlipid raft以外の細胞膜上に存在するRPTPβに結合し、その後温度依存的にlipid raftに集積し、その後に細胞内へ移行することを明らかにした。さらに空胞形成及びp38MAPキナーゼの活性化には細胞膜にあるGPI-anchored proteinが必須であることが分かった(投稿中)。2)VacA毒素が引き起こす細胞死はアポトーシスであり、VacA毒素によるBaxおよびBakの活性化にによつてミトコンドリア障害が引き起こされることが判明した。
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