研究課題/領域番号 |
16017313
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
荒川 宜親 国立感染症研究所, 細菌第二部, 部長 (10212622)
|
研究分担者 |
柴山 恵吾 国立感染症研究所, 細菌第二部, 主任研究官 (50283437)
柴田 尚宏 国立感染症研究所, 細菌第二部, 主任研究官 (50311402)
山根 一和 国立感染症研究所, 細菌第二部, 主任研究官 (00356247)
鈴木 里和 国立感染症研究所, 細菌第二部, 研究員 (30373400)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2005年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2004年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
|
キーワード | 薬剤耐性遺伝子 / インテグロン / トランスポゾン / インテグラーゼ / κγ-エレメント / 遺伝子カセット / 挿入配列 / 遺伝子再配列 / κ γ-エレメント |
研究概要 |
世界で最初に我が国で確認された16S rRNAメチレースの遺伝子(rmtA)の近傍に存在する2つのκγ-elementに挟まれた構造が、トランスポゾン様の挙動を示す事が昨年の研究で確認されたため、本年度は、2つのκγ-elementとそれらに挟まれたDNA断片上に、DNA断片の離脱、再挿入などを引き起こす遺伝子や機能が存在するか否かを検証した。 その結果、いずれか片方のκγ-elementを除去すると、環状のDNAの離脱が発生しない事が確認され、κγ-elementが2つで1セットとして機能している事が示唆された。しかし、2つのκγ-elementに挟まれた領域の様々な欠失体を作成して検討したところ、2つのκγ-elementに挟まれた領域には、κγ-elementの部位を認識し、DNA断片の切り出しや挿入に必要な、トランスポセーズ、リコンビネース、インテグレースのような酵素を担う遺伝子は存在せず、それらは、染色体上あるいは、plasmidの他の領域に存在しているであろう、一般的な酵素を利用している事が強く示唆された。この事実は、薬剤耐性遺伝子を含む、特定の遺伝子が、2つのκγ-elementにより挟まれた場合、そのユニットは、κγ-elementを認識する特定のトランスポゼース等が存在しなくても、一般的なDNAの切り出しや挿入に関与する酵素の働きで、任意の場所に転位できる事を示唆しており、今後、多剤耐性菌の進化と蔓延に寄与する危険性が示唆された。 一方、rmtC遺伝子の近傍に存在するISEcp1は、CCTAGATTCTACGTとACGTGGAATTTALGGなどの配列で挟まれたDNA断片とともに転移する機能を有する事が確認され、また、挿入箇所の両端には、TTCAAを典型とする5bpの配列が新しく生成する事が確認された。
|