研究課題/領域番号 |
16017318
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立国際医療センター(研究所) |
研究代表者 |
河津 信一郎 国立国際医療センター(研究所), 適正技術開発・移転研究部適正技術開発研究室, 室長 (60312295)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2005年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2004年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 感染症 / マラリア / 酵素 / ストレス / 発現制御 / レドックス / 宿主寄生体相互関係 / レドクス |
研究概要 |
前年度は、Prx遺伝子の転写調節メカニズムを調べる目的で、同遺伝子5'のレポーターアッセイ、ゲルシフトアッセイ、および、クロマチン免疫沈降(ChIP)をおこない、1-Cys型Prx遺伝子の発育期特異的な転写調節に、(1)5'プロモーター領域上のcis-element(enhancer)および、その配列特異的に結合する転写因子(trans-element)が関与すること、また(2)トロホゾイト期特異的な転写活性化には、5'プロモーター領域周囲のヒストンアセチル化が関与することを報告した。今年度は、1-Cys型Prx遺伝子の発育期特異的cis-elementのenhancer活性を確認する目的でその配列を別遺伝子(2-cys型Prx遺伝子)の5'プロモーター配列と交換してレポーターアッセイをおこなった。その結果、同配列のタンデムリピート(1-4回)を2-Cys型Prx遺伝子上流に挿入したプラスミドを用いてアッセイをおこなうと、リピート回数に応じてレポーター活性の亢進がみとめられた。このことから、前回報告した領域が機能的なenhancerであることが検証された。また、このenhancer領域とtrans-elementとの結合様式を詳細に解析する目的でDNase I footprintingをおこなった。その結果3箇所の結合部位が同定された。現在、これらの情報をもとにtrans-element(複合体)の単離・精製を進めている。Epigeneticな機構に関連した取り組みとしては、プロモーター上のヒストンアセチル化に関わる因子の候補としてPfGCN5に着目し、このタンパクに対する抗ペプチド抗体を作製してクロマチン免疫沈降(ChIP)をおこなった。PfGCN5は、熱帯熱マラリア原虫のゲノムデータベース上に唯一annotateされ、現在までに組換え体での活性および原虫細胞での存在が確認されているヒストンアセチル基転移酵素である。ChIPによって得られたDNA画分を定量PCRによって解析した結果、PfGCN5はトロホゾイト期に特異的に1-Cys型Prx遺伝子の5'プロモーター上にリクルートされてくることが明らかとなった。これはマラリア原虫の遺伝子発現調節において、ヒストンアセチル基転移酵素の関与が具体的に示された最初の知見である。
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