研究課題/領域番号 |
16018221
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
宇田川 武久 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (70104750)
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研究分担者 |
齋藤 努 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (50205663)
小瀬戸 恵美 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助手 (80332120)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 鉄砲 / 銃炮類 / 大筒 / 石火矢 / 発火機 / 大鍛冶 / 軟鉄 / 精錬 / 分析化学 / 材質 / 鉄炮 / 技術 / 火薬 / 砲術秘伝書 / 弾速 |
研究概要 |
各地の博物館等が所蔵する前近代の銃砲類の所在を追跡し、個々の資料の詳細情報を蒐集した。収集した情報から時代的あるいは地域的特徴を把握し、対象とする銃砲を選定して、それらの文献的研究および自然科学的調査を行い、銃砲類を科学技術史の資料としての意義付けを行った。具体的には下記の通りである。 ・伝来後、日本で独自に作られるようになった鉄炮は通常、口径1cm、全長1m20cm、銃身長65cm、有効射程200m、最大射程500mであった。しかし、戦国時代になると、まず最大射程数kmに達する大口径で長銃身の火縄式大鉄砲が、次いで火縄の日を手で直接、あるいは棒先につけて火門に点火させる指火式の大筒と石火矢が出現した。これらの出現と普及の状況を資料調査から明らかにすることで、これまではあまり知られていなかったこれらの存在について再評価を行い、また石火矢の系譜を追い、こうした大型砲の普及が城郭の構造に影響を与えた可能性を指摘した。 ・幕末維新期に洋式銃が知られるようになり、日本の銃もその影響を受けて発砲方式やそれに伴う各部構造の改良を余儀なくされたが、その技術の落差が大きく、すぐには自国の技術になり得なかったことを、小銃の発火機の移り変わりという、実資料の調査結果から明らかにした。 ・各所の資料調査から、特に岸和田硫秘伝書の諸本について集成をおこない、砲術流派について復元を行った。 ・鉄炮銃身の素材として使用された、きわめて低炭素で砂鉄由来の鉄-チタン酸化物鉱物の含まれていない包丁鉄(軟鉄)の製法として、現在技術伝承が途絶えてしまった「大鍛冶」の行程を復元することを目標に、過去の文献を参考に予備的な実験を試み、短時間の操業で高炭素の銑鉄からきわめて低炭素の鉄を作ることに成功した。 ・国立歴史民俗博物館が所蔵する和流砲術秘伝書について整理を行い、目録を作成した。
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