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チロシンキナーゼSykが発癌に抑制的に関わる分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16021235
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関神戸大学

研究代表者

山村 博平  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90030882)

研究分担者 遠山 由美  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70362770)
研究期間 (年度) 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2004年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
キーワードチロシンキナーゼ / がん転移 / 白血病 / Syk / CXCL12
研究概要

チロシンキナーゼSykは乳癌等を用いた解析によりその悪性化を阻止する作用が報告されたが分子作用機序については未解明である。Sykが発がんとその後の病態に抑制的に関わる分子作用機序を明らかにするため、骨髄微小環境における白血病発症モデルとなる実験系を利用した。フィブロネクチンまたはヒアルロン酸を塗布した培養プレート上で、増殖因子依存性細胞株BAF3および32DをケモカインCXCL12で刺激し、誘導されるシグナル伝達を、細胞接着性、運動性および細胞形態の変化とともに解析した。両細胞株は刺激後すみやかに形態変化をおこし、細胞極性を伴った移動を開始した。すなわち細胞移動の前方側に葉状突起、後方側に細胞が収縮したような構造、uropodが生じた。この変化と呼応してSykの活性化が認められた。そこで野生型およびキナーゼ不活性型、優性抑制型,Sykをこれら細胞株に導入した。Syk野生型の大量発現により刺激前より細胞極性を示す細胞が増加したがキナーゼ不活性型ではそのような効果は得られなかった。また、優性抑制型Sykを発現した場合には、刺激前の細胞移動度が上昇し、細胞極性の形成、典型的なuropodの構造が消失した。この細胞では細胞接着も減少しており、SykがCXCR4により誘導される細胞極性とuropod構造を介した細胞接着の両シグナルの上流で機能することが示唆された。そこで、この機構に関わるシグナル伝達分子としてRho-pathwayの活性化について解析した。野生型細胞株ではCXCL12刺激によりRhoAの活性化型が速やかに上昇したが、優性抑制型Syk発現細胞では上昇が認められなかった。本研究の成果は、チロシンリン酸化を介したケモカインシグナルが、細胞の極性化と接着制御により骨髄微小環境での安定した造血細胞の成熟に寄与する事を示しており、癌悪性化に関わる分子メカニズムの解明に寄与する。

報告書

(1件)
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Lysosome is a primary organelle in B cell receptor-mediated apoptosis : an indispensable role of Syk in lysosomal function.2005

    • 著者名/発表者名
      He, J.
    • 雑誌名

      Genes to Cells 10,1

      ページ: 23-35

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Critical role of CRMP-associated molecule CRAM for filopodia and growth cone development in neurons.2005

    • 著者名/発表者名
      Hotta, A.
    • 雑誌名

      Mol.Biol.Cell 16,1

      ページ: 32-39

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Protein-tyrosine kinase, Syk, is required for CXCL12-induced polarization of B cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Matsusaka, S.
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun. 328,4

      ページ: 1163-1169

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Tyrosine phosphorylation of adaptor protein 3BP2 induces T cell receptor-mediated activation of transcription factor.2005

    • 著者名/発表者名
      Qu, X.
    • 雑誌名

      Biochemistry 44,10

      ページ: 3891-3898

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Point Mutations of 3BP2 Identified in Human Inherited Disease Cherubism Results in the loss of Function.2004

    • 著者名/発表者名
      Miah, S.M.
    • 雑誌名

      Genes to Cells 9,11

      ページ: 993-1004

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2018-03-28  

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