研究課題/領域番号 |
16021265
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立国際医療センター(研究所) |
研究代表者 |
反町 典子 国立国際医療センター(研究所), 消化器疾患研究部・消化管疾患研究室, 室長 (30217468)
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研究分担者 |
土肥 多恵子 国立国際医療センター(研究所), 消化器疾患研究部, 部長 (60250221)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2004年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 抑制性レセプター / 樹状細胞 / マクロファージ / NKレセプター / Ly49Q / トランスジェニックマウス / 細胞接着 |
研究概要 |
抑制性レセプターは、細胞機能を負に制御することにより、過剰な免疫応答の抑制や終焉、免疫寛容の誘導に重要な役割を果たす。私たちは、NK細胞が自己識別に用いるNKレセプターファミリーに属する新規分子Ly49Qを同定し、この分子が細胞内に抑制性モチーフを有し、抑制性レセプターとして機能すること、樹状細胞とマクロファージに優先して発現することを報告した。NKレセプターはMHCクラスIまたはその関連分子を認識してNK細胞の自己寛容に重要な役割を果たすことから、Ly49Qも樹状細胞やマクロファージの自己識別と機能制御に関わっている可能性が示唆される。本研究は、免疫反応の誘起に根本的役割を果たす樹状細胞における、MHCクラスI認識型の抑制性レセプターの機能を明らかにし、樹状細胞機能の新しい制御法を開発することを目的として、Ly49Qのリガンド検索、シグナル伝達経路、トランスジェニックマウスを用いたLy49Qの機能解析を行った。その結果、(1)Ly49Qのリガンドはβ2m会合型分子であること、(2)Ly49Qのリガンドが特定の細胞集団に発現すること、(3)Ly49QはITIMのリン酸化依存的にFAKを会合し、FAKのリン酸化を制御していること、(4)Ly49Qはパキシリンの局在制御に関わることを見出した。さらに、Ly49Qがプラスマ樹状細胞のよい分化マーカーであり、プラスマ樹状細胞はその分化過程でLy49Q陰性からLy49Q陽性へと移行することも明らかにした。また、Ly49Qの野生型およびYF変異型を発現するトランスジェニックマウスの解析から、YF変異型トランスジェニックマウスでプラスマ樹状細胞数に異常が認められること、野生型Ly49Qのトランスジェニックマウスのマクロファージにおいては、ケモカインであるMCP-1の産生が上昇しているとと、腹腔内常在マクロファージの細胞数が増加しているととを見出した。現在このメカニズムの解析とLy49Qの機能解析をさらに進めると同時に、樹状細胞の詳細な機能解析と感染炎症モデルを用いた免疫応答解析を進めている。
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