研究課題/領域番号 |
16022253
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
石川 義弘 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40305470)
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研究分担者 |
南沢 享 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (40257332)
戸谷 義幸 横浜市立大学, 附属病院, 助教授 (30237143)
岩坪 耕策 横浜市立大学, 医学部附属病院, 助手 (90363796)
堀 英明 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30117759)
常松 尚志 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70347300)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2004年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | カベオリン / 増殖シグナル / ニコチン受容体 / 褐色細胞腫 / アデニル酸シクラーゼ / カルシウム / インシュリン / ノックアウト |
研究概要 |
本研究報告は平成15年からの継続である。カベオリンは分子量20KD程度の、カベオラと呼ばれる細胞膜陥没構造を形成する主要蛋白である。近年カベオリンはカベオラを形成するだけでなく、カベオラに集積する様々な受容体やシグナル蛋白の活性を制御することが知られてきた。カベオリン発現の低下は細胞の増殖を促し、がん細胞において著しく低下していることから、カベオリンは各種増殖シグナルの抑制作用があることがいわれている。我々は昨年度の予備研究結果から、カベオリンが著明ながん細胞の増殖抑制効果を示すことを見出した。そこでこの抑制効果の普遍性を検討するために、さまざまな細胞増殖シグナル受容体作用にたいするカベオリンの効果を検討した。一般的にがん細胞、とりわけ肺がんなどの細胞に対して、カベオリンは増殖抑制にはたらく。しかし、カベオリン3ノックアウト動物を用いた実験から、インシュリンシグナルに関しては例外的に、増強作用があること、同欠損動物はインシュリン抵抗性を示すこと、カベオリン遺伝子の注入によってインシュリン抵抗性の著明な改善が見られることなどがわかった。これらの結果より、カベオリンはインシュリン糖代謝にはむしろ刺激性に働く可能性が示され、カベオリンあるいはその類似蛋白のもつ機能の多様性が示唆された。とりわけ、がん細胞に対する増殖抑制とインシュリンシグナルに対する刺激作用を持ち合わせるカベオリンについては、肝細胞がんの発生との関連が言われるC型肝炎患者における糖尿病の治療等に応用可能であると考えられる。
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