研究課題/領域番号 |
16023242
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
堤 康央 国立医薬品食品衛生研究所, 基盤研究第二プロジェクトチーム, 副プロジェクト長 (50263306)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2004年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | ファージ表面提示法 / 腫瘍壊死因子 / 薬物送達法 / ガン治療 / 免疫療法 / サイトカイン / プロテオーム / 創薬 |
研究概要 |
本研究は、宿主のガン免疫応答や直接的な抗腫瘍作用、腫瘍血管新生抑制作用を強力かつ安全に誘導できる機能化腫瘍壊死因子(TNF)を新規創出しようとするものであり、近未来的にTNFによるガンに対する蛋白療法や遺伝子治療、さらにはワクチン療法に加え、TNFの選択的なガン組織血管透過性亢進活性を利用したガン化学療法剤の腫瘍組織への効率的デリバリーなど、ガン治療領域におけるTNF療法の安全性と有効性を確保し、その医薬品開発を推進するものである。平成16年度は、ファージ表面提示法を駆使した機能性人工蛋白質の創出システムを開発し、これを利用することでwild型と比較して、血中滞留性やレセプター親和性に優れ、10倍もの生物活性を持ったリジン欠損TNF(mTNF-K90R)を創出することに成功した。このリジン欠損TNFは、現存する機能化TNF(TNF変異体や誘導体を含む)の中で、最も比活性に優れたものである。またこのリジン欠損体に対するN末端アミノ基への部位特異的バイオコンジュゲーションにより、TNFの抗ガン蛋白質としてのポテンシャル(宿主ガン免疫活性化能・腫瘍血管の選択的傷害能・ガン組織血管透過性の亢進能・直接的な腫瘍細胞障害能・安全性・生体内動態)が、著しく向上できた。今後、さらに安全性と有効性に優れた機能化TNFを設計し、その有効活用と医療への展開を図っていくとともに、他のサイトカインや種々生理活性蛋白質・ペプチド等にも、本創薬システムを展開し、次世代型のガン治療戦略の確立を目指していく予定である。
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