研究課題/領域番号 |
16023246
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
中島 学 福岡大学, 薬学部, 助教授 (50198074)
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研究分担者 |
高橋 三津雄 福岡大学, 薬学部, 教授 (70299543)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 癌 / 免疫学 / 臨床 / RCAS1 / 抗体 |
研究概要 |
平成16年度において、多種類のヒト癌疾患、良性疾患患者および正常ヒト血清を、治療経過を含めて、経時的に採血し血清中のRCAS1抗原、抗RCAS1抗体および抗原・抗体複合体の存在を我々が確立したELISA法を用いて測定した。結果として、 1)癌患者血清中のRCAS1抗原量は、治療前値、治療中および治療後において他の腫瘍マーカー(CA125,CEAなど)と同様に変動した。 2)RCAS1抗原に対する自己抗体の存在とそれらによる抗原抗体複合体も確認された。 3)これら抗原、自己抗体および免疫複合体は相互に関係をもって変動した。 4)癌末期に急激な抗原量の増加に対して抗体および複合体が低下する症例が認められたことにより、RCAS1抗原による免疫抑制の可能性が示唆された。 考察として、今回の検討によって 1)血中RCAS1抗原量の測定は、他の癌関連抗原と同様に治療と共に低下し、特に外科的治療においては術後1週間以内に正常値を示し、治療判定の臨床的因子として有用である。 2)抗原抗体複合体やRCAS1抗原に対する自己抗体の存在が確認され、RCAS1抗原が生体の免疫系から認識されていることが確認された。 3)末期患者においてRCAS1抗原の急上昇に対して抗体および複合体の増加が認められず、RCAS1抗原が免疫系を抑制することが推測された症例が認められた。 今後、さらに多くの症例を検討し、これらの臨床的意義や22-1-1抗体による免疫療法、RCAS1抗原によるワクチン療法の可能性を検討する為に、患者血清中にRCAS1抗原分子が関与する細胞障害性の機構を阻害する事ができる抗RCAS1抗体の存在を、K562細胞を標的細胞として用いた細胞増殖試験にて探索して行くことが重要と考えられる。
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