研究課題/領域番号 |
16023253
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中面 哲也 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (30343354)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | cDNAマイクロアレイ / SEREX / 腫瘍マーカー / 抗KM-HN-1抗体 / glypican-3 / PP-RP / メラノーマ / 食道癌 |
研究概要 |
本研究の成果を、以下に我々が同定した3種類の癌特異抗原別にまとめる。 1.癌患者における抗KM-HN-1抗体の検出:正常精巣cDNAライブラリーと頭頸部扁平上皮癌患者血清を用いたSEREX法により同定した新規CT抗原KM-HN-1は、様々な癌で発現するが、正常組織では精巣のみに発現する。ELISA法により癌患者血清中のKM-HN-1IgG抗体価を解析した結果、健常人では2.5%の陽性率であるのに対し、様々な癌患者群では40〜100%の陽性率を示した。抗KM-HN-1抗体は多様な癌の診断に有用である可能性が示された。 2.メラノーマの新しい腫瘍マーカーとしてのGlypican-3(GPC3):我々は既にGPC3が肝細胞癌の腫瘍マーカーとして有用なことを報告していたが、メラノーマの腫瘍マーカーになることも証明した。・従来のメラノーマの腫瘍マーカーである5-S-cysteinyldopa(5-S-CD)およびMIAは、進行癌患者においてのみ高い陽性率を示すが、早期癌患者では検出されない。一方、GPC3はメラノーマの進行度に関係なく、どのステージの患者においても約40%において血清GPC3が陽性であった。GPC-3はメラノーマの早期診断に有用な腫瘍マーカーにもなりうることが明らかとなった。 3.食道癌に高発現し、癌化に関与しているProliferation potential-related protein(PP-RP)の同定:我々は、cDNAマイクロアレイのデータより、ほとんどの食道癌で特異的に高発現する新しい癌抗原PP-RPを同定した。PP-RPは食道癌特異的に高発現する抗原であるのみならず、癌化や悪性度の高さに関与していると考えられた。また、PP-RPの発現量が非常に高い群は、予後不良であることを発見し、PP-RPの発現量が食道癌の予後予測因子として使用できる可能性を示した。
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