研究課題/領域番号 |
16024217
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高村 昇 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (30295068)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 甲状腺がん / 乳がん / セミパラチンスク核実験場 / BRCA / p53 |
研究概要 |
旧ソ連邦時代、1949年8月29日から1989年10月19日まで、459回にも及ぶ核実験がカザフスタン共和国のセミパラチンスク核実験場で行われた。付近住民は、当時核実験に関する情報を知らされることもなく、放射性降下物による被曝を受け続けたと考えられ、その線量は、70-4,470mSvに及ぶと考えられる。 我々はこれまでにも、同地区において多発している皮膚基底細胞がん(BCC)を対象とした分子疫学調査を行い、同地区のBCC症例において9q22.3領域の欠失が多発していることを報告した。これらの結果を踏まえて我々は本年度、カザフスタン共和国セミパラチンスク核実験場周辺地区において被ばく住民における甲状腺がん、乳がんの分子疫学的調査を開始した。本年度はまず研究代表者が現地を訪問し、長崎大学と学術交流協定を締結しているセミパラチンスク医科大学と共同で甲状腺がん、乳がんのサンプルを収集し、病理学的な再評価を日本で行った。さらに組織型に対応した対照群の選定を長崎の非被爆者の中から行った。甲状腺がんについてはret/PTC1及びret/PTC3の再配列の有無、乳がんについてはBRCA及びp53領域のLOHの有無について検索を開始している。今後、症例を積み重ねて両群の遺伝子的背景の差異について明らかにするとともに、カザフスタン共和国内の非被ばく地域在住者との違いについても明らかにしていく予定である。これによって、慢性低線量被ばくと発がんについて、分子疫学的アプローチを行うことが可能になると考えられる。
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