研究課題
特定領域研究
カスパーゼ活性化因子Dapaf-1変異体ではショウジョウバエ小楯板の剛毛増加が観察されることからこの領域でカスパーゼの活性化が起こっていて、剛毛の発生に関与することが考えられた。そこで、Scabrous-Gal4を用いて剛毛前駆細胞でSCAT3を発現させたところ、翅成虫原基でのScabrous陽性細胞クラスターで弱いながらカスパーゼの活性化が検出された。翅成虫原基における死細胞をTUNEL法で観察するとScabrous陽性細胞クラスターには殆どシグナルが観察されず、Scabrous陽性細胞クラスター内でのカスパーゼ活性化は細胞死以外の機能を持つことが予想された。Dapaf-1変異体では感覚器前駆細胞数の増加が観察され、カスパーゼが細胞運命決定に関与する分子を基質として切断し、感覚器前駆細胞運命に関与するシグナルを発することが予想される。この基質の同定のために、カスパーゼを阻害した際の神経系細胞系譜の変化(剛毛の増加)を促進または抑圧するような染色体領域の探索(ドミナントモディファイアースクリーニング)を行った。スクリーニングの結果カスパーゼの基質が遺伝学的に同定された。ほ乳類GSK3βホモログであるShaggyはWinglessシグナルを介して剛毛の発生を制御している。そのアイソフォームSgg46がカスパーゼによって切断・活性化することにより、外感覚器前駆細胞の数の調節に関与することが示された。カスパーゼは基質特異性の高いエンドペプチダーゼであり、活性化の度合いによって細胞死以外のシグナルを伝える分子の活性調節を行うことで、様々な生理機能に関わることが考えられる。
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