研究課題/領域番号 |
16026237
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
久永 真市 (久永 眞市) 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (20181092)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 神経科学 / シグナル伝達 / 脳・神経 / 蛋白質 / 酵素 / Cdk / リン酸化 / Cdk5 / p35 / 記憶 / 長期増強 / プロテアソーム / シナプス / グルタミン酸 |
研究概要 |
Cdk5/p35は分化した神経細胞で活性が検出される特異なCdkである。Cdk群が細胞周期進行において重要な役割を果たしているように、Cdk5も脳形成時の神経細胞の移動、シナプス可塑性や神経細胞死などで重要な働きをしている。しかし、それぞれの神経活動に伴う活性制御については殆ど判っていない。神経の主要な興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸がNMDA受容体を介して、p35の一斉分解を引き起こす。NMDA受容体はシナプス可塑性に関与していることが知られている。本研究ではNMDAで誘導されるp35の分解が本当にシナプス可塑性に関わっているのかを検討した。 (1)Cdk5-p35の神経細胞内局在を改めて検討したところ、後シナプス分画とゴルジ体分画に多く回収されることが判った。後シナプス分画に存在するp35はNMDA処理により、分解し、Cdk5活性の低下が見られた。この反応はCa-Calmodulin kinase II(Ca/CaMKII)の活性化(自己リン酸化)と鏡像関係を示した。Cdk5活性化がCaMKII活性を抑制している可能性を考え、Cdk5阻害剤を用いたところ、CaMKII活性の増強が見られた。Cdk5のシナプス後部における役割はCaMKIIの抑制と考えられた。 (2)Cdk5の活性化サブユニットにはp35に加えてp39が知られているが、Cdk5-p39の性質については殆ど判っていない。Sf9細胞を用いて合成したCdk5-p39の性質を調べたどころ、基質特異性はCdk5-p35と同じであるが、複合体の安定性に違いがある(不安定になる)ことが判った。
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