研究課題
特定領域研究
細胞死実行に中心的な役割を果たすカスパーゼは細胞死刺激を受けて活性化するシステインプロテアーゼである。カスパーゼの活性化ダイナミクスを感度よくモニターすることが出来れば、組織でのカスパーゼ活性化初期過程をも検出することができ、細胞死のみならずカスパーゼの発生における生理機能の解析が飛躍的に進むと期待される。本研究ではカスパーゼの活性化状態を生体レベルでリアルタイムに検出することによって、発生過程でのカスパーゼシグナルのダイナミクスを記載し、細胞死やカスパーゼの活性化によって引き起こされる生理現象を理解することを目標としている。活性化型カスパーゼの検出を生体内で生きたまま解析するための強力なプローブを、蛍光蛋白質を用いたFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)を利用する方法を用いて構築した。我々はFRETのドナーにECFPを、アクセプターにVenusを用い、両蛍光たんぱく質にカスパーゼ切断至適配列DEVDを挿入した新規カスパーゼ3 indicator 「SCAT3」を開発し、このペアを採用することで細胞内で安定的にカスパーゼ活性化の解析を可能にした。個体でのカスパーゼ活性化部位を調べる目的でUAS-Gal4システムにてSCAT3を発現するトランスジェニックショウジョウバエを作製した。カスパーゼ活性化因子Dapaf-1変異体ではショウジョウバエ小楯板の剛毛増加が観察されることからこの領域でカスパーゼの活性化が起こっていて、剛毛の発生に関与することが考えられた。そこで、Scabrous-Gal4を用いて剛毛前駆細胞でSCAT3を発現させたところ、翅成虫原基でのScabrous陽性細胞クラスターで弱いながらカスパーゼの活性化が検出された。翅成虫原基における死細胞をTUNEL法で観察するとScabrous陽性細胞クラスターには殆どシグナルが観察されず、Scabrous陽性細胞クラスター内でのカスパーゼ活性化は細胞死以外の機能を持っことが予想された。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (12件)
J.Biol.Chem. 280
ページ: 42364-42374
BBA 1726
ページ: 225-237
EMBO J. 24
ページ: 3793-3806
ページ: 2700-2713
Glia 51
ページ: 312-321
Cell Death Diff. 12
ページ: 1115-1123
J.Neurosci.Res. 79
ページ: 451-458
J.Biol.Chem. 279
ページ: 51647-51653
FEBS Lett. 568
ページ: 60-64
J.Neurosci.Res. 77
ページ: 653-661
Acta.Histochem.Cytochem. 37
ページ: 223-226
110003144383
J.Biochem. 136
ページ: 1-6
10016200490