研究課題/領域番号 |
16027226
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
和田 洋 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (60303806)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 脊椎動物 / 軟骨 / 進化 / Sox9 / ホヤ / ドメイン構造 / Col2a1 / 神経堤 |
研究概要 |
軟骨の成分であるコラーゲンやアグレカンの軟骨での特異的な発現は転写因子Sox9によって制御されている。Sox9は、軟骨と同じく脊椎動物を特徴づける細胞である神経堤細胞の分化にも深く関わっている。脊椎動物のSox9にはDNA結合HMGドメインのほかに、N末にダイマー形成に必要なドメイン、C側にはP300/CREBという転写コファクターとの結合に関わるドメインも見られる。このような機能ドメインを獲得しながら、様々な局面でターゲットを変えていく能力を獲得していった可能性が考えられる。そこで、Sox9が神経堤細胞や軟骨の分化に関わる機能を獲得してきた分子進化的な背景を調べるために、ホヤのSox9が脊椎動物に導入したときに神経堤細胞や軟骨細胞を誘導することができるかどうかについて調べた。ホヤのSox9は変態中の肝膵臓原基で一過的な発現をするのみで、軟骨との関連の想像されるような発現は見られない。したがってSox9の神経堤細胞と軟骨細胞の分化に関する機能は、脊椎動物の祖先で獲得されたと考えられる。ところが、ホヤのSox9をニワトリ胚の神経板に強制発現させると、ニワトリSox9を導入したときと同様に、過剰なHNK1陽性の神経堤細胞が誘導されることがわかった。すなわちSox9の神経堤細胞分化に関する機能の進化に新しいタンパク質としての機能ドメインの進化は関わっていなかったと考えられる。また軟骨系細胞株ATDC1を用いて、ホヤのSox9がタイプ2コラーゲンの発現を活性化できるかを調べ、軟骨の分化に関する機能の進化に新しい機能ドメインの進化が関わったかどうかを検討した。その結果ホヤのSox9もタイプ2コラーゲンの発現を活性化できるという結果が得られた。この結果はホヤのSox9にも、上述の軟骨分化に関する機能にのみ必須と考えられているダイマー形成に必要なドメインが見られることと整合的である。
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