研究課題/領域番号 |
16027246
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
川上 潔 自治医科大学, 医学部, 教授 (10161283)
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研究分担者 |
小西 慶幸 自治医科大学, 医学部, 講師 (00382838)
佐藤 滋 自治医科大学, 医学部, 講師 (70306108)
池田 啓子 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10265241)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | Six1 / Six4 / 三叉神経節 / アポトーシス / プラコード / エンハンサー / 嗅上皮 / 分化 / Slx遺伝子 / 形態形成 / 標的遺伝子 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
Six1/Six4二重欠損マウスではE10.5において三叉神経節内にアポトーシスが原因だと考えられる凝縮した核が多数検出されたが、E13.5ではこのような凝縮した核の増加は観察されなかった。抗一本鎖DNA抗体、抗活性化カスパーゼ抗体を用いた解析により、アポトーシスの増加がSix1/Six4二重欠損マウスで観察される三叉神経節の萎縮の要因の一つであることが示唆された。Six1/Six4二重欠損マウスの三叉神経節から得られた神経細胞を培養すると神経栄養因子の存在下でもアポトーシスを起こすことから、細胞内在的な要因の存在が示唆された。Six1/Six4欠損マウス三叉神経節では、生存因子であるBcl-xや神経栄養因子の受容体であるTrkCの発現低下が観察されたため、Six1/Six4によるこれらの因子の発現維持が三叉神経節の発生に関与することが示唆された。 Six1と隣接するSix4を含む180kbpのゲノム領域を種々の脊椎動物で比較した。ヒト-マウス間で保存され、かつ哺乳類以外の脊椎動物のいずれかでも保存された23の非エクソン配列を同定した。マウスゲノムよりPCRにて増幅した保存配列をptkEGFPベクターに挿入し、ニワトリ胚を用いてエンハンサー活性の検索を行った。その結果、プラコード原基(PPR)、種々のプラコードとプラコードに由来する感覚器と脳神経節においてEGFPの発現を活性化する6種類の独立したエンハンサーを同定した。これら6種類のエンハンサー活性を重ね合わせると、マウス及びニワトリ胚の種々のプラコードにおけるSix1とSix4本来の発現パターンがほぼ再現される。 嗅神経細胞の初期に発現するNeurogenin1、Lhx2、NeuroD等の発現の低下がSix1/Six4二重欠損マウスにおいて観察された。また、GAP43,Tuj1陽性の細胞は形成されるが嗅神経の成熟マーカーであるOMPの陽性細胞は全く見られなかった。加えて、嗅繊毛が観察されず嗅上皮における配向が消失していた。一方、支持細胞のマーカーであるサイトケラチン陽性の細胞は存在するが、支持細胞の嗅上皮での配向は消失していた。神経分化を抑制することが知られているHes1およびHes5の発現がホモマウスの嗅上皮では亢進していた。これらの観察から、Six1は嗅上皮の嗅神経細胞や支持細胞の発生・分化を司り、上皮構造の形成維持にもかかわることが明らかとなった。
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