研究課題/領域番号 |
16028206
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
吉田 拓生 福井大学, 工学部, 教授 (30220651)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 素粒子実験 / カロリメーター / シンチレーティングタイル / アバランシェフォトダイオード / 素粒実験 |
研究概要 |
今年度は、はじめに、シンチレーティングタイル・ファイバー型カロリメーターの中で用いるシンチレーティングタイルの本格的な読み出しテストを行った。シンチレーティングタイルにMinimum Ionizing Particle(MIP)を照射したときの光信号をアバランシェフォトダイオード(APD)で読み出し、その波高分布を詳しく分析した。特に、カロリメーターのエネルギー分解能に影響する可能性のあるAPDのノイズ特性や過剰雑音係数(二次電子増倍率のゆらぎ)などを、APDの温度やバイアス電圧の関数として詳しく測定した。その結果、(1)APDのノイズは、APDの二次電子増倍率が200倍を超えない限り、冷却しなくても、室温中で既に十分小さいこと、(2)過剰雑音係数はAPDの二次電子増倍率のみの関数となり、APDの温度にはよらないこと、などが分かった。 次に、以上のようにAPDを用いてタイル中でのMIPのエネルギー損失を実測したときの波高分布を、シャワーの発生によってタイルに入射してくる荷電粒子の数だけ重ね合わせるという手法によって、カロリメーターのエネルギー分解能を求めた。シャワー中の荷電粒子の数はGEANT4によるシミュレーションによって求めた。その結果、APDの二次電子増倍率を20倍程度の比較的低い値に設定することによって、過剰雑音係数を小さく保ちつつ、必要十分なS/N比を確保することができ、最も高いエネルギー分解能が得られることが分かった。 本研究によって得られたカロリメーターのエネルギー分解能を、従来のように光電子増倍管でシンチレーティングタイルの光信号を読み出す場合と比較した結果、光電子増倍管を用いるよりも、APDを用いた方が高いエネルギー分解能が得られることが明らかになった。
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