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ホモアリル型アルコールの触媒的不斉エポキシ化反応の機構解明と速度論的光学分割

研究課題

研究課題/領域番号 16033218
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関東京大学

研究代表者

尾中 篤  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10144122)

研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード触媒的不斉エポキシ化 / ジルコニウムアルコキシド / 酒石酸ジイソプロピル / クメンヒドロペルオキシド / モレキュラーシブ / ラセミ体ホモアリルアルコール / 速度論的光学分割 / 触媒的不斉エポキシ化反応 / Zr(OtBu)_4
研究概要

一般にホモアリルアルコールの不斉エポキシ化反応は、Sharplessらの開発したキラルチタン錯体(Ti(Oi-Pr)_4-(L)-DET)を化学量論量用いても,不斉誘起能は低く,低収率である(収率11〜60%,27〜55%ee,1〜5日)。また,香月らによって化学量論量のZr(On-Pr)-4及び酒石酸アミドを用いた例が報告されているが,cis_-オレフィンに対しては高いエナンチオ選択性(77%ee)で目的の光学活性エポキシ体を得ているものの,他の基質に対しては満足のいく結果は得られていない(収率4〜38%,10〜43%ee,3〜35日).このように,ホモアリルアルコールの不斉エポキシ化反応は未解決の問題であった.
本研究において,金属種としてZr(Ot-Bu)_4を,不斉配位子として天然物由来で,入手容易な酒石酸誘導体を,酸化剤としてクメンヒドロペルオキシド(CHP)を用い,MS4A共存下,クロロベンゼン溶媒中で,従来困難であったホモアリルアルコール類の不斉エポキシ化反応が,触媒的にかつ高エナンチオ選択的に進行することを見出した.
さらに,本不斉エポキシ化反応のスケール拡大化のための改良を行った.本反応は,用いる試薬はすべて市販品であり,購入したものを蒸留精製することなくそのまま用いることができるため,操作上も非常に簡便な合成手法であるといえる.しかし,Zr(Ot-Bu)_4は空気中の水分に対して非常に敏感で,すぐに加水分解するため,大スケールで用いることは困難である.そこで,より安価で,取り扱いが容易な固体であり,空気中でも比較的安定なZr(Oi-Pr)_4・i-PrOH錯体を金属種として用い,不斉エポキシ化反応を試みたところ,1/1触媒系では若干eeの低下が見られるものの,1/2触媒系ではエナンチオ選択性を損うことなく生成物が得られ,本手法の実用性がさらに高められた.
この不斉エポキシ化反応を利用した速度論的光学分割を検討した.一般に,第2級アルコールの速度論的光学分割は,Sharplessの不斉エポキシ化反応をはじめ,酵素反応による分割例や,遷移金属錯体を用いた例が数多く報告されている.しかし,第1級アルコールの光学分割は酵素を用いても困難であり,過去にも数報の報告例しかなく,遷移金属錯体を用いた報告例はない.エキソメチレン化合物を基質として,触媒量のキラルジルコニウム錯体(1/2触媒系)を用いることによって,遷移金属錯体を用いた第1級ホモアリルアルコールの速度論的光学分割に初めて成功した.

報告書

(2件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 固体酸・塩基触媒研究の新しい展開2005

    • 著者名/発表者名
      尾中 篤, 關 祐威, 増井洋一
    • 雑誌名

      有機合成化学協会誌 63

      ページ: 492-502

    • NAID

      10015727313

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 古いゼオライト・新しいゼオライト-そのナノ空間反応場の特異性2005

    • 著者名/発表者名
      尾中 篤, 増井洋一
    • 雑誌名

      化学と工業 58

      ページ: 549-552

    • NAID

      10015543040

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2018-03-28  

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