研究課題/領域番号 |
16033228
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石原 一彰 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40221759)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 環境技術 / 合成化学 / 触媒・化学プロセス / 有機工業化学 / 酸 / 不斉触媒 / マンニッヒ反応 / 錯体 |
研究概要 |
トリフリル基は非常に強い電子求引基でありα位の水素原子の酸性度を高める。例えば、ビス(トリフリル)イミドやトリス(トリフリル)メタンは濃硫酸よりも強い酸性を示し、超強酸として注目を集めている。しかし、これらの超強酸はいずれもそれ自身の化学修飾が困難であり、ブレンステッド酸としてあるいはそのカウンターアニオンを配位子としたルイス酸の触媒設計に不都合である。そこで、化学修飾が容易な新規ブレンステッド超強酸の開発を目標に様々な検討を行った。まず、アリールビス(トリフリル)メタンに着目した。この一般的合成法が確立できれば、芳香環の立体的および電子的な効果により様々な酸性をもつブレンステッド酸の合成が可能となる。そこで、最初にフェニルビス(トリフリル)メタンの合成を試みた。この合成法についてはすでに2つの方法が知られているが入手困難な試薬が必要であったり、基質一般性に乏しいなど実用的ではない。その後、Zhuらによってジアゾニウム塩の熱分解を利用した合成法が報告されている。この合成法は様々なアリールビス(トリフリル)メタンの合成に適用できると考えられ、さっそく試したが目的とする生成物が得られず、別のものが得られることが分かった。そこで、様々な検討を行つた結果、Hendricksonらの方法を応用しベンジルブロミドから相当するトリフロンを得たのち、tert-ブチルリチウムによってリチオ化し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を加えることにより2段階で収率よくフェニルビス(トリフリル)メタンを合成できることを見いだした。この方法は、様々なアリールビス(トリフリル)メタンの合成に適用が可能である。また、興味深いことにペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンは濃硫酸よりも強い超強酸であった。さらに、この超強酸はパラ位特異的に求核置換反応を起こすことが分かった。
|