研究課題/領域番号 |
16033231
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大須賀 篤弘 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127886)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 光合成 / 光捕集 / アンテナ / 環状ポルフィリン / 励起エネルギー移動 / 単分子観測 / ポルフィリン / 光化学 / 合成化学 / 超分子化学 |
研究概要 |
非線形光学応答の一種である2光子吸収断面積を大きくするために、3重結合ポルフィリンテープを基本骨格にベータ位にベンゾ骨格を縮合することを考案し、ビシクロ縮環ピロール前駆体を出発原料にして数ステップでジベンゾ縮合ポルフィリンテープ2量体を合成した。中間体であるメゾーメゾ結合ポルフィリン2量体の結晶構造を決定した。ベンゾ縮環構造のないポルフィリンテープ2量体では2光子吸収断面積の値は11400GMであったが、ジベンゾ構造を導入することで15400GMにまで2光子吸収断面積の値を増強できた。様々な結合様式を持つポルフィリン2量体の銅錯体や銀錯体の反強磁性相互作用にとって、ベーターベータ結合が重要であることを実証した。単分子分光をメゾーメゾ結合ポルフィリンアレーに適用することにより、コンフォメーショナルな分布が非常に重要であることを解明した。これらの結果は将来メゾーメゾ結合ポルフィリンアレーに基づく分子デバイスを設計する際に重要な指針になると予想できる。これまでは、1,3-フェニレン架橋したポルフィリン2量体の逐次2量化反応により直鎖状ポルフィリン12量体を合成、その高希釈下による分子内環化反応により環状12量体を低収率で合成していたが、環化条件を精査することにより、収率を65%と大幅に向上することに成功した。更に大きな環状ポルフィリンを合成する目的で、1,3-フェニレン架橋メゾーメゾポルフィリン4量体の逐次伸張反応を行い、直鎖状ポルフィリン24量体を合成し、その分子内環化反応を検討した。結果として、環状ポルフィリン24量体の単離に成功した。これは、共有結合で繋がれた環状ポルフィリンとしては世界最大の分子である。環状構造にそった励起エネルギー移動を時間分解レーザー分光で精査したところ、高速の励起エネルギー移動が効率よく進行することがわかった。また、走査型トンネル電子分光により、この大環状分子の単分子観測を試みたところ、予測される直径をもつリング状の画像をきれいに得ることができた。
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